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CRAIG GREENの服は、作業着を思わせるポケットやベルトから、身体を大きく包む立体的な作品までつながっています。服の「留める」「重ねる」「包む」という仕組みを、そのまま見た目の面白さに変えるブランドです。まずは展示写真と公式のコレクション映像から、その幅を見てみてください。

白い作品は、胸や脚に丸い膨らみが連なっています。黒い作品は、胴の前に四角い面が重なり、脇から細いパーツが伸びる形。同じパファーでも、「丸く膨らませる」と「板のような面を重ねる」で輪郭が大きく変わることが分かります。以下では、この強い造形と、普段着として選べるジャケットの関係を整理します。
最終確認:2026年11月4日。公式資料、美術館・大学の解説、商品仕様を参照したブランド紹介です。所有・着用レビューではなく、写真と資料をもとに構造や選び方を考えています。
CRAIG GREENは、どんなブランド?
CRAIG GREEN(クレイグ グリーン)は、英国のデザイナー、クレイグ・グリーンが2012年にロンドンで始めたブランドです。セントラル・セント・マーチンズの修士課程を修了して設立し、メンズウェアを軸に活動してきました。ウィーン応用芸術大学による経歴紹介、University of the Arts Londonによる学歴紹介。
ブランド公式は、制服、実用性、ワークウェアを土台に、身体を守ること、儀式、集団といった考えを探る服づくりと説明しています。ショーの大きな造形だけでなく、4つのポケットを付けた上着や、腰を絞る紐にも、その考え方が表れます。CRAIG GREEN公式プロフィール。
ロゴが大きく見えなくても、縦に走る細かな縫い目、二重の襟、余ったベルトの線などに特徴があります。黒い服が好きな方なら、色を増やさずに表面や輪郭を変えるブランドとして見ると、選びやすくなると思います。
歴史をつかむための年表
- 2012年:自身の名を冠したブランドをロンドンで設立。
- 2013年秋冬:顔の前にフェンス状の構造を置く作品を発表。後年、Fashion Eastの回顧展でも紹介される。
- 2015年春夏:後にDesign Museum「Beazley Designs of the Year 2016」の候補として紹介されるコレクション。
- 2016〜2018年:The Fashion AwardsのBritish Menswear Designerを3年続けて受賞。
- 2018年:Pitti Uomo 94のゲストデザイナーとして招かれる。
- 2020年1月:adidas Originalsとの最初の商品群が発売。ショーでの先行披露は2019年6月。
- 2023年10月:ウィーン応用芸術大学のファッション部門を率いる教授に就任。
年表はブランド公式、Fashion Eastの回顧展、Design Museum、adidasの発売資料、大学の就任発表で確認しています。ショーで見せた年と、商品を発売した年、展覧会で紹介した年を分けて読むのがポイントです。
2026年11月の公式サイトでは、2026年秋冬の商品と、2026年春夏までのコレクションアーカイブを確認できます。過去の実験的な服だけでなく、現在のワーカージャケットへどうつながっているかも見比べられます。
代表的な表現を見る、3つの入口
2015年春夏:服の外まで広がる布
冒頭の公式映像に対応する2015年春夏は、Design Museumが2016年のデザイン賞の候補に選んだコレクションです。同館は禅を参照点とした表現として紹介しています。受賞作と候補作は異なり、この年のファッション部門の受賞は「Kids vs Fashion」です。Design Museumの候補・受賞一覧。
公式ルック19を見ると、水色の上着とパンツに加え、頭より高い位置から大きな布が後ろへ広がっています。ルック25では、暗い色の上下と背後の布がつながり、足元には素足が見えます。服の丈だけでなく、背後にどれだけの面積が生まれるかまで含めて、一人の輪郭を作っているように見えます。2015年春夏の公式ルック一覧。
日常着に置き換えるなら、巨大な構造をそのまま取り入れる必要はありません。短い上着の下へ長いシャツを少し出す、細いベルトを垂らす、パンツに幅を持たせるなど、身体の外へ伸びる線を一つ残すと、このコレクションから気になった要素を試しやすくなります。
パファー作品:身体を包む面と、空間を見る

こちらの展示写真では、黒と白の面が重なり、その上を細かな縫い目が走っています。赤い縁取りのある細長い穴やテープ状の部分は、平らな色面に切れ目を作る役目も果たしています。冒頭の丸い膨らみと見比べると、「ダウンの服」という一言では収まらない造形の幅があります。
Vancouver Art Galleryは「Fashion Fictions」展で、グリーンによるMoncler Geniusの彫刻的なパファー作品群を紹介しました。掲載写真は同展の展示風景です。撮影日は2023年7月10日ですが、個々の制作シーズンは確認できていません。Vancouver Art Galleryの展覧会資料(PDF)。
鑑賞するときは、顔を囲む部分、胴を覆う部分、脚の分量を分けて見ると構造を追いやすくなります。中古のMoncler協業品を探す場合は、同じデザイナー名が付いていても、展示作品と同じ仕様とは考えず、製品名と品番で確認してください。
2026年春夏:コートとスポーツウェアを同じ視点で見る
2026年春夏の公式ルック1には、長く垂れるベルトを持つ黒いコートが登場します。一方、ルック20は、月桂冠と円のマークが付いた青系の短いジャケットに、ボーダー柄の下半身を合わせています。大きなコートとスポーツウェアで印象は異なりますが、布の分量や縦に垂れる線へ注目すると、見比べる手掛かりになります。2026年春夏の公式ルック。
Fred Perryも、この2026年春夏のパリのショーで協業コレクションを披露したと説明しています。ショーに登場する服をすべてCRAIG GREEN単独の商品として探すより、協業相手まで確かめる方が、購入候補にたどり着きやすくなります。Fred Perryのショー紹介。
映像が表示されない場合は、2015年春夏の公式映像ページ、2026年春夏の公式映像ページから確認できます。
ワーカージャケットを選ぶときは、型名より構造を見る
ワーカージャケットはブランドを代表する形の一つです。ただし「Worker Jacket」と名の付く服が、毎シーズン同じ素材や厚みで作られているわけではありません。ここでは2026年秋冬の公式掲載3型を、比較例として見ていきます。サイズや色の販売状況は各商品ページで確認してください。
Down Fill Worker Jacket:4ポケットとダウンの構造
黒のDown Fill Worker Jacketは、4ポケットの形にダウンを入れ、前をダブルジップとボタンで留めるジャケットです。腰にはテープ状のベルト、袖口にはゴム、外側にはファスナー付きのポケットを備えます。公式はwater resistantと説明しているので、完全防水とは読み替えないようにします。Down Fill Worker Jacketの公式仕様。
商品写真では、胸と腰の四角いポケットを横向きのキルト線が囲み、比較的見慣れた上着の形に収まっています。大きな展示作品から入ると驚くほど穏やかですが、面を区切って厚みを作る発想を、普段の服に取り入れた例として見られます。
公式のComposition欄はナイロン100%で、説明文はダウン入りとしています。この表示だけで中のダウンとフェザーの比率を推測せず、必要なら購入先へ確認してください。MのBody lengthは69cm。長いコートの代わりというより、腰付近で上半身を区切る候補です。
Double Quilt Worker Jacket:二重の襟と、背中の開き
Grey / BlackのDouble Quilt Worker Jacketは、二重の構造、2つの襟、二重のスナップ留め、背中の切り開かれた部分が特徴です。表面には縦方向のキルトと同色の線状刺繍があり、前には外付けのポケットが並びます。公式素材はナイロン55%・コットン45%。Double Quilt Worker Jacketの公式仕様。
選ぶときは、正面だけでなく、背中の開きと重なりを写した写真があるかを確認したい型です。前からは端正に見えても、後ろから見た分量や、中に着た服の見え方は変わります。MのBody lengthは69cm。前項のダウン型と同じ丈でも、背面の開きが選び分けるポイントになります。
Utility Jacket:滑らかな黒と、腰に残る紐
黒のUtility Jacketは、日本製ウールを使った軽量のジャケット。公式素材はウール100%で、ダブルジップ、ゴム入りの裾と袖口、腰のコードベルトを組み合わせています。胸と腰に大きな四角いポケットを並べるWorkerの型とは、正面の見え方も違います。Utility Jacketの公式仕様。
MのBody lengthは65cmで、先の2型より4cm短い設定です。長く広い黒パンツに合わせる場合、上着を短くして腰位置を見せたいなら、こちらが比較しやすい形。コートのような縦長さを期待するなら、商品名の印象ではなく、この丈の差を確認しておきたいところです。
Moncler、adidas、Fred Perryとの違い
協業商品は、CRAIG GREENの名前が入っていても、相手ブランドの型、素材、サイズ表を土台にすることがあります。本体のS・M・Lと、Monclerの数字サイズ、靴のサイズを一つの基準で換算せず、それぞれの実寸やサイズガイドで比べてください。
Moncler:防寒服の膨らみを使った造形
Monclerとの協業は、展示写真のような立体的なパファー作品を知る入口です。一方、中古で流通する製品は、短いジャケット、コートなど形がさまざま。購入時は、モデル名、品番、付属するベルトやフード、表面の擦れ・剥がれを個別に確認します。「Moncler × Craig Green」という名前だけで、写真の作品と結び付けないことが大切です。
adidas Originals:靴底の形を、アッパーへ移す
最初の協業商品は、2020年1月31日発売のCG Kontuur IとII。服で用いてきた線や質感を、靴へ広げた商品です。IIはOzweegoをもとに作られました。IIの深いキルト状の線は、服の縫い目に興味を持った方にも分かりやすいポイントです。adidasによる初回発売の説明。
ここで紹介しているのは当時のモデルです。別の年のStan Smith系やSuperstar系まで、同じ素材・同じ履き心地だとは判断できません。中古なら、品番に加えて、ソールの減り、接着部分、アッパーの傷、サイズ表記を確認してください。
Fred Perry:見慣れた上着へ、縫い目や襟を加える
Fred PerryとのAlpine Jacket、品番SJ2115は、黒のワックスコットン、大きな襟、取り外せるフード、対比のあるステッチを組み合わせた型です。胸と背中には双方のマークが入り、CRAIG GREEN単独のUtility Jacketとは別の商品です。SJ2115の公式商品説明。
公式はコットン100%とし、お手入れには「Do Not Wash」と記載しています。普通の綿の上着と同じ感覚で洗わず、現物のケアラベルを確認してください。フードを外した写真、襟を閉じた写真も比べると、日常でどの形を使いたいかを考えやすくなります。
中古で見落としたくない、4つの点
- ベルトと紐:本来の付属品がそろっているか。長い紐の先、通し穴、腰や裾の留め具の状態を見る。
- キルトと中の構造:ステッチ切れ、表面の穴、膨らみの偏り、二重になった部分の内側を確認する。
- 取り外し部分:フードやパネルの有無、スナップ・ファスナーの動作を確認。似た型でも交換可能とは限らない。
- ラインと実寸:本体か協業品か、品番・年代・素材とともに確認。同じMでも、着丈と肩・胸の分量を比べる。
サイズ選びでは、長いベルトを含めた写真の印象と、上着そのものの着丈を分けると比較しやすくなります。測る位置をそろえたい方はジャケットの実寸ガイド、太いパンツと短い上着の組み合わせは服のシルエットのガイドも参考になります。
楽天市場の掲載例:FRED PERRYとの協業(広告)
楽天市場の掲載例は、FRED PERRYとCRAIG GREENの協業による黒のAlpine Jacket(SJ2115)です。本文のメインラインのWorker Jacketとは別の製品。販売店は表地を綿100%、裏地をポリエステル65%・綿35%とし、フードを取り外せる仕様を案内しています。フードの有無で首まわりの形を変えたい方は、両方の状態を見比べてみてください。
公式のケア表示は「Do Not Wash」です。綿の上着でも水洗いできるとは限らないので、購入する個体の取扱表示を確認してください。サイズ、価格、在庫、送料は販売ページの最新表示で確認できます。
黒い服に、どの線を残したいか
CRAIG GREENを見るときは、派手かシンプルかだけで分けず、縫い目、ポケット、紐、布の重なりのうち、どこに惹かれるかを一つ決めると入りやすくなります。展示作品の大きな造形が好きでも、最初の一着は細かな縫い目のある黒いジャケット、という選び方で構いません。
長い布の動きや静かな雰囲気を見比べたい方は、ANN DEMEULEMEESTERの紹介もどうぞ。黒という色を共通にして、柔らかく垂れる線と、構造が見える線のどちらを増やしたいかを考えると、手持ちの服との関係も整理できます。
出典と写真について
歴史はブランド公式とウィーン応用芸術大学、過去のコレクションは公式アーカイブ・Fashion East・Design Museumを参照しています。商品仕様は各商品の公式ページ、協業の発売経緯はadidasとFred Perryの公式資料によります。価格や在庫は購入時点の販売店で確認してください。
展示写真2点は、写真ごとにCC BY-SA 4.0を確認し、作者、出典、撮影日、トリミングの有無を記載しています。映像2本はブランド公式サイトが掲載するVimeoのプレイヤーです。公式の商品写真やショー写真は、確認のために参照し、本文へ転載していません。


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