【COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)とは】ブランド紹介、歴史、特徴、購入先

白い背景の中央に黒い太字で「COMME des GARÇONS」と記した記事用カバー ドメスティック

COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)は、川久保玲が1969年に始めた日本のファッションブランドです。身体に沿わせる、左右をそろえる、きれいに仕上げる。そんな服の前提を動かしながら、まだ見たことのない形を探ってきました。

黒い服やハートのロゴから知る人も多いはず。でも、次の写真にある花柄や巨大なフリル、パッドで膨らんだ輪郭まで見ると、ブランドの幅がぐっと伝わります。この記事では実物作品の写真を手がかりに、歴史と名作、似た名前のラインの違い、最初の一着を選ぶ視点を整理します。

Metの2017年展で展示された、花柄と巨大なピンクのフリルを用いた2016–17年秋冬の5ルック
2016–17年秋冬《18th-Century Punk》。2017年Met展で展示された5ルック。作品提供:Comme des Garçons。Photo: Rhododendrites / Wikimedia Commons / CC BY-SA 4.0。画像調整:W.carter。当サイトではトリミングなし。
1997年春夏の青白ギンガムチェックの服。背中と腰にパッドによる膨らみがある
1997年春夏《Body Meets Dress, Dress Meets Body》。Photo: we-make-money-not-art / Wikimedia Commons / CC BY-SA 2.0。トリミングなし。
レースを思わせる柄をプリントした、白から淡いグレーの2005年秋冬の婚礼ドレス
2005年秋冬のプリント婚礼ドレス。RISD Museum, 2016.10.2 / Helen M. Danforth Acquisition Fund / Photo: Erik Gould / CC0。

まず知っておきたい、ギャルソンの基本

  • 創業者:川久保玲。メインのウィメンズとHOMME PLUSのアーティスティック・ディレクションを担う。
  • 始まり:1969年にブランドとして服の製造・販売を開始。会社設立は1973年3月。
  • パリでのランウェイデビュー:1981年。穴を用いた《Holes》は翌1982年の秋冬コレクション。
  • 見るポイント:身体と服の間の空間、表と裏、対称と非対称、日常着と彫刻の境目。
  • 購入時のポイント:ブランド名だけでなく、HOMME・HOMME PLUS・PLAYなどのライン名まで確かめる。

創業年と会社設立年は、FHCMのブランド紹介とブランド公式の会社概要で区別できます。2026年11月4日時点でも、FHCMは川久保玲をメインラインとHOMME PLUSの担当者として記載しています。

歴史:1969年の出発から、身体の形を問い直す服へ

1969年にブランドを始め、1973年に会社を設立

川久保玲は広告の仕事やフリーランスのスタイリストを経て服づくりに入り、1969年にCOMME des GARÇONSを始めました。NGVの年表は、自分が着たい服を見つけられなかったことを、その出発点として紹介しています。

その後、1973年に会社を設立し、1978年にはメンズウェアへ展開。服をつくる活動の始まりと法人としての設立を分けると、「1969年創業」と「1973年設立」の表記が併存する理由がわかります。出典:FHCM、会社概要。

1981年のパリ進出と、1982年《Holes》

パリでのランウェイデビューは1981年。続く1982–83年秋冬の《Holes》は、穴や不均一さを服の表情として扱ったコレクションです。NGVは《Destroy》という別称も記載しています。よく一続きに語られる出来事ですが、パリデビューと《Holes》は同じ年ではありません。出典:NGV年表、1982–83年秋冬の所蔵作品。

初期の黒い服を考えるときも、色だけで捉えると見落としが出ます。下のジャンパードレスでは、黒い面の長さ、身体を締めつけない分量、下に重ねた服との間隔が目に入ります。これはtricotの1983–84年作品で、穴あきニットの代わりに掲載した写真ではありません。

1983–84年の黒いウールのジャンパードレスを、幅広い袖のベージュのトップスと展示した写真
1983–84年、tricot Comme des Garçonsのウールのジャンパードレス。RISD Museum, 1999.35.5 / Gift of Sandra Lopen Barker / Photo: Erik Gould / CC0。1982年《Holes》とは別の作品。

1997年、服が身体の輪郭をつくり替える

1997年春夏の《Body Meets Dress, Dress Meets Body》は、ギャルソンを知るうえで見ておきたいコレクションです。腹部や腰、背中、肩などにパッドを置き、一般的な身体の線から膨らみをはみ出させました。MoMAの作品解説も、このパッドとギンガムチェックに注目しています。

冒頭の青白チェックの写真で見たいのは、細く見せるために布を引くのではなく、布とパッドが別の輪郭をつくっていること。ここでは「自分の体型に合うか」より先に、「どんな身体の見え方を服が提案するか」という問いが立ち上がります。これは掲載作品からの読み解きです。

名作を写真で読む:素材、装飾、空間の使い方

2005年秋冬:レースに見える面は、プリント

冒頭右の婚礼ドレスは、RISD Museumが2005年秋冬の作品として所蔵する一着です。素材は綿・絹・ポリエステルで、技法にはプリントが記載されています。レースのような見た目を、そのまま「繊細な編みレース」と説明しないことが大切です。出典:RISD Museum作品記録。

写真をよく見ると、表面の模様と、実際の服の折れや重なりが同じものではないとわかります。柄の華やかさだけでなく、「立体に見えるもの」と「本当に立体になっている部分」を分けて眺めると、この服の面白さを捉えやすくなります。

2016–17年秋冬:花柄とフリルを、身体から離す

最初の横写真は《18th-Century Punk》の5ルック。2017年にMetで展示されたものですが、服のコレクション自体は2016–17年秋冬です。中央のピンクの作品にはポリウレタンが使われています。展示番号と素材はMet公式ガイド(PDF)で確認できます。

大きなフリルは胸元を飾るだけでなく、胴体の前に別の空間をつくっています。花柄も柔らかな印象だけに収まらず、硬い輪郭を覆う面として見えてきます。黒・白・非対称という言葉だけでは説明しきれない造形性が、この写真にはまとまっています。

2017年Met展の公式映像で、全体の奥行きを見る

Metの展覧会《Rei Kawakubo/Comme des Garçons: Art of the In-Between》は、1980年代初期から当時の新作まで約140点のウィメンズを紹介しました。以下は美術館の公式展覧会ページに掲載された映像です。最新シーズンのショーではなく、川久保玲の仕事を横断する2017年の展示記録として見ると役立ちます。

The Metropolitan Museum of Art公式:2017年展覧会の紹介映像。
The Metropolitan Museum of Art公式:Gallery Views。展示会場と作品の立体感を確認できる映像。

HOMME、HOMME PLUS、PLAYはどう違う?

同じ「ギャルソン」でも、狙いも担当デザイナーも一つではありません。服を探すときは、次の区別があるだけで検索結果をかなり絞れます。

  • COMME des GARÇONS:川久保玲によるウィメンズのコレクション。造形や服の前提への問いを深く見たい入口。出典:FHCM。
  • COMME des GARÇONS HOMME PLUS:川久保玲のメンズコレクション。HOMMEとは別ライン。出典:FHCM。
  • COMME des GARÇONS HOMME:渡辺淳弥が担当。トラッド、ワーク、ミリタリーなどを取り入れた服。出典:PARCO公式資料。
  • COMME des GARÇONS SHIRT:シャツの形や切り替えを探るライン。現在はシャツ以外の服も扱う。出典:三越伊勢丹のブランド案内。
  • PLAY COMME des GARÇONS:ハートのエンブレムで知られ、Tシャツやニットなどの定番が中心。出典:三越伊勢丹。
  • BLACK COMME des GARÇONS:黒を中心に展開。黒い服を探す際の候補になるが、メインラインの黒いアイテムすべてを指す名称ではない。出典:三越伊勢丹。
  • COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS:「コムコム」と呼ばれ、川久保玲の日常着の側面を見られるライン。出典:三越伊勢丹。

グループには、渡辺淳弥のJUNYA WATANABEとJUNYA WATANABE MAN、栗原たおのtaoなどもあります。taoは2022年春夏にtricot COMME des GARÇONSから名称を変更。古着でtricotのタグを見つけたときは、年代と担当者を別に確認すると混同を避けられます。出典:FHCMのJUNYA WATANABE紹介、PARCO公式資料、三越伊勢丹のtao紹介。

この一覧は価格順の格付けではありません。PLAYのTシャツとHOMME PLUSの立体的なジャケットでは、買いたい理由も、着たときに確かめる部分も違います。「上のラインへ進む」というより、自分が気になった形から選ぶ方が自然です。

最初の一着を選ぶなら、何を見る?

1.黒いジャケットは、肩と裾の関係から

黒でまとめたいなら、最初にジャケットの正面と横の写真を見比べます。肩からまっすぐ落ちるのか、背中に空気が入るのか。裾は水平か、片側だけ長いのか。色が同じでも、この違いで印象は大きく変わります。HOMMEの端正な服と、HOMME PLUSの強い造形を、ライン名を揃えて比較してみてください。

サイズ表では肩幅・身幅・着丈・袖丈を確認します。ただし非対称や立体的な服は、数値だけでは輪郭を把握しきれません。平置き写真、着用写真、採寸位置も合わせて見るのが実用的です。測り方はジャケットの採寸ガイドにまとめています。

2.シャツは、白い面の分割に注目

シャツなら、襟だけでなく前身頃の切り替えや裾を見ます。白い面がどこで分かれ、ボタンを留めたときにどう重なるか。SHIRTを探す際はブランド名にSHIRTまで含めると、他ラインのシャツとの混同が減ります。背中や袖の写真がない商品は、そこで判断を止めずに追加情報を確認しましょう。

3.PLAYは、ロゴの好みと着丈を切り分ける

PLAYのTシャツやカーディガンは、ハートの色や大きさに目が向きやすいアイテムです。ただ、ロゴが気に入っても着丈や身幅が合うとは限りません。メンズ・ウィメンズの表記と商品ごとの実寸を見て、手持ちの服と比べる。ライン全体を一律に「普段より1サイズ上」と決めない方が選びやすくなります。

黒い服で取り入れる、3つの合わせ方

ここからは、掲載作品の読み解きを普段着に置き換えたスタイリング案です。実際の着用レビューではなく、手持ちの服に合わせるための考え方としてまとめています。

  • 短いジャケット × 長めのシャツ × ワイドパンツ:裾の段差を一か所つくる。上下すべてを大きくする前に、腰まわりの重なりを整える。
  • 立体的なトップス × まっすぐ落ちるパンツ:形の強い部分を一つに絞る。横から見た膨らみを、細いインナーで無理に潰さない。
  • 黒いカーディガン × 白いシャツ × 革靴:PLAYなどの比較的取り入れやすい服から始める。襟と袖口に白を残し、ロゴ以外にも視線の置き場をつくる。

長いシルエットが好きなら、丈だけでなく布の張りも比較すると違いが見えます。硬い布は身体から離れた輪郭を保ち、柔らかい布は動きに沿って落ちやすい。全体のバランスは服のシルエットの考え方も参考にしてください。

購入先と、古着で確かめたいこと

実店舗を探す起点はCOMME des GARÇONS公式の店舗一覧です。公式サイトからリンクされるDover Street Market Ginzaと、そのDSMG E-SHOPも確認できます。店舗やオンラインストアごとに取扱ラインが違うため、訪問前に目的のラインを確かめましょう。

  • ライン名と品番:商品名の略称だけで決めず、首元のブランドタグと品質表示の写真を照合する。
  • 実寸と採寸方法:同じSでも年代・ライン・型で違う。左右非対称の服は長い側と短い側の両方を確認する。
  • 加工と傷み:切りっぱなしや縮絨などの表現と、後から生じた破れ・虫食い・ほつれを分けて見る。
  • 裏側の状態:襟・袖・脇・裏地・ボタン周辺まで写真を確認。立体的な服はパッドや付属パーツの欠品にも注意する。
  • 返品と補修:古着店ごとの条件を確認する。タグ一枚や低価格だけで真贋を断定せず、説明や来歴の確認ができる販売店を選ぶ。

ウール、プリント、樹脂を含む作品を同じ方法で手入れすることはできません。ブランド全体の評判より、その服の洗濯表示と素材、付属品を優先してください。裾直しも、左右差や前後差を消してしまわないか、先に完成した形を確認しておくと安心です。

楽天市場で比較する、服と財布の例【広告】

この欄には楽天アフィリエイトの広告リンクが含まれます。HOMME PLUSの服とWalletの小物を、別々のラインの購入例として紹介します。冒頭のコレクション作品とは別の商品です。価格・在庫・送料・返品条件は、購入前に販売ページの最新表示をご確認ください。

HOMME PLUS:襟を省いた中古ジャケット

販売店が2022年秋冬と記載する、ウール縮絨ノーカラージャケット。グレー、サイズSの中古品です。黒いパンツと合わせるなら、明るさの差と襟元の輪郭を見比べる例になります。商品名の「縮絨」だけで柔らかさや伸縮性を判断せず、素材表示、身幅・肩幅の実寸、袖口や裏地の状態を確認しましょう。HOMMEやPLAYの服と同じサイズ感とは限りません。


Wallet:SA2100の二つ折りZIP財布

服とは別のWalletラインから、ARECALFのSA2100。販売ページでは縦10.5×横12×マチ2cm、札入れ1、小銭入れ1、カード入れ4と案内されています。長財布から替える場合は、カードの枚数だけでなく、普段使うポケットに入る厚みかも比べたいところ。複数の色の選択肢がありますが、色ごとの在庫は購入画面で確認してください。店は天然皮革の細かな傷やシワ、塗料のにおい、シーズンによる仕様変更についても注意を記載しています。


出品情報は2026年11月4日に確認。ジャケットの中古状態と、財布の革製品としての注意点はそれぞれ別に確認してください。掲載店をブランド直営店として紹介するものではありません。

よくある疑問

ハートのロゴがない服も、ギャルソン?

はい。ハートで広く知られているのはPLAYです。メインライン、HOMME、HOMME PLUS、SHIRTなどは別の服づくりをしています。ロゴがないからギャルソンではない、という判断はできません。

COMME des GARÇONSは全部、川久保玲のデザイン?

いいえ。メインラインとHOMME PLUSは川久保玲ですが、HOMMEは渡辺淳弥、taoは栗原たおが担当しています。グループ名と一着の担当デザイナーを分けると、各ブランドの個性が見えてきます。

最初からランウェイのように着る必要はある?

ありません。まずは気になったジャケットやシャツを、いつものパンツに合わせる方法で十分です。肩、背中、裾のどこを主役にしたいかを一つ決めると、強いデザインも選びやすくなります。

まとめ:黒、ロゴ、その先にある「形」を見る

ギャルソンの入口は、黒い服でもハートでも構いません。その先で、1997年のパッド、2005年のプリント、2016–17年の巨大なフリルを見比べると、服が身体にどう触れ、どう離れるかという共通した問いが見えてきます。

買うときには、まずライン名を確認する。そして、色や知名度よりも、自分が惹かれた輪郭を探す。そこを押さえると、複雑に見えたブランドの中で、一着を選ぶ道筋がはっきりします。

黒い服の別の表情を見たい方にはANN DEMEULEMEESTERのブランド紹介、布の落ち方や日常着のバランスを比較したい方にはLEMAIREのブランド紹介もおすすめです。

参考資料・画像について

確認日:2026年11月4日。歴史・担当者・作品年代はブランド公式、FHCM、美術館、取扱施設の公開資料を参照しています。作品の見え方や着こなしの提案は当記事の考察です。価格・在庫は固定せず、購入時に販売ページで確認してください。

写真は各キャプションに出典・撮影者・ライセンスを表示しました。2017年Met展の写真は撮影者のCC BY-SA 4.0、1997年春夏の展示写真はCC BY-SA 2.0、RISD Museumの2点はCC0に基づいて掲載しています。当サイトでは写真をトリミングせず、配信上のサイズ調整のみを行っています。映像はMet公式ページ掲載のYouTubeプレイヤーを埋め込んでいます。

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