ほどかれた糸に、時間を見る。メゾン マルジェラ トウキョウの20周年インスタレーション

白い展示空間に大きな曲線を描いて垂れる二つの糸の束 未分類
画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

細い糸が大きくたわみ、その先に風景の織柄が続く。恵比寿の「メゾン マルジェラ トウキョウ」で、布の見え方が変わるインスタレーションが公開されています。

白い展示空間に大きな曲線を描いて垂れる二つの糸の束
大きな曲線を描く糸と、床へ続くタペストリー。白い空間が素材の色を引き立てます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

展示名は「Unravelled Memory, Rewoven Future」。美術作家・鈴木美緒と、フランスの「Les Manufactures Nationales – Sèvres & Mobilier National」による協働作品です。会期は2026年11月5日〜15日。現店舗への移転20周年を記念する「Line 2」の展示を、公式写真12枚とともに紹介します。公式の展示紹介

まず惹かれるのは、入口を覆う一枚

日中の店舗入口を覆うタペストリー作品
日中の入口。織柄と糸の間に、店舗の奥行きが見えます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders
夜のメゾン マルジェラ トウキョウ入口に展示された、タペストリーとほどかれた糸の作品
夜の入口。看板の光と暗い外壁に、作品の輪郭が浮かびます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

店舗の看板の下に、風景を織り込んだタペストリー。その中央は長い糸になり、裾には再び模様が現れます。布が途中でほどけたような不思議な姿です。昼の写真では建物とのつながりが、夜の写真では糸の色と輪郭が際立ちます。

斜めから見た店舗看板とタペストリー作品
斜めから見るエントランス。作品と店のスケールを比べられます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders
階段の横に床まで伸びるタペストリー
階段脇で床へと続く布。裾まで目を向けたいところです。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

59点のタペストリーを、約3か月かけて

公式によると、今回の制作にはアンティークと現代のタペストリー59点が選ばれ、東京の鈴木のもとへ送られました。鈴木は約3か月をかけてそれらをほどき、組み替え、店舗の各所に設置する作品に仕上げています。制作過程について

金色に見える糸の束と織物の模様の接写
糸と織柄の境目。素材の細かな重なりが見えます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders
幾重にも重なる糸の束と階段の接写
幾重もの糸が描く曲線。同じ素材でも、見る角度で表情が変わります。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

接写で見ると、金色に見える糸の束にも色の違いや陰影があります。遠くからはひとつの大きな曲線に見えた部分が、近づくと細い線の集まりになる。全景とディテールを行き来すると、この作品の面白さをつかみやすくなります。

布の絵柄から、空間の奥行きへ

天井から床へと連続する風景模様のタペストリー
天井から床まで続く風景模様。布の長さが目を引きます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders
樹木や風景が織られたタペストリーとほどかれた糸
樹木や風景の織柄。残された模様も、作品を見る手がかりに。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

織られた風景は、ほどかれたあとにも残っています。樹木の模様を追うと、布の途中で視線が糸へ移り、その向こうに白い壁や建物の一部が見える。もともと布の表面にあった絵柄と、布が置かれた現実の空間が、写真の中で重なります。

織物の上に湾曲して垂れる糸を斜めから見た展示風景
糸の間から見える店内。空いた部分にも注目したい一枚。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders
床に広がる織物と天井から吊られた糸
床に広がるタペストリーと、上から垂れる糸の関係。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

鑑賞するときは、最初に全体のかたちを見て、次に「織柄が残る場所」と「糸になった場所」を比べてみるのがおすすめです。服の縫い目や素材を眺めるときのように、どう作られているのかを考える楽しさがあります。

恵比寿で重ねた20年と、素材に残る時間

メゾンが世界で初めて店舗を開いたのは、2000年9月の東京・恵比寿でした。その後、2006年に近隣の元工場の建物へ移転。今回の「20周年」は、この現在の場所での20年を指します。ブランド創設20周年ではありません。公式アーカイブ「Maison Margiela Tokyo: 20 Years at 2-8-13」

夜のエントランスに浮かび上がるタペストリーの全景
夜のメゾン マルジェラ トウキョウ。入口と作品を一緒に見ると、場所の個性も伝わってきます。|画像出典:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders

建物を使い続ける店に、既存の布を解いて生まれた作品が置かれる。素材や場所の過去を、新しい表現へつないでいく。その関係まで含めて見ると、恵比寿で開催される意味も感じられそうです。

ブランドのものづくりをもう少し知りたい方は、Maison Margielaの歴史と特徴をまとめた記事もあわせてどうぞ。

開催情報

Unravelled Memory, Rewoven Future
会期:2026年11月5日(木)〜11月15日(日)
会場:メゾン マルジェラ トウキョウ
住所:東京都渋谷区恵比寿南2-8-13 キョウデンビル1F
問い合わせ:0120-934-779

開催情報はBRUTUSの展示案内でも確認しています。鑑賞できる時間や予約の要否、料金については、来場前に店舗の最新案内をご確認ください。

本記事は公式資料と公式公開写真をもとにした展示紹介です。現地訪問レポートではありません。写真:Maison Margiela / MaisonMargiela/folders。情報確認日:2026年11月8日。

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