商品説明で見かける「本切羽」。袖のボタンが外せると聞くと、丁寧に作られた服の目印に思えるかもしれません。ただ、それだけで一着の品質や自分との相性までは判断できません。買う前に知っておきたいのは、袖口の機能と、お直しへの影響です。
本切羽とは、袖口を開閉できる仕様
本切羽(ほんせっぱ)は、袖口のボタンホールに実際に穴が開き、ボタンを外して袖口を開けられる仕様です。対して飾りのボタンホールは、かがり縫いがあっても内側は開いていません。麻布テーラーも、この穴の有無を両者の違いとして説明しています。[1]

ボタンの数や重なり方だけでは見分けられません。通販なら袖口の裏側や開いた状態の写真を確認し、不明なら店に聞くのが確実です。穴がない部分を自分で切って開けるのは避けましょう。
袖口だけでは、生地や仕立ては分からない
本切羽は「手縫い」の意味でもありません。テーラーSECOND HOUSEには、ミシンかがりで本切羽のボタンホールを作る修理メニューがあります。[2]
また、RING JACKETはものづくりの説明で、表地と芯地の組み合わせ、立体的な設計、縫製などをそれぞれ取り上げています。[3] 袖口が開くという一点から、これらの作りや着心地まで読み取ることはできないのです。
試着では、肩や首まわりに無理がないか、腕を動かしたときにつっぱらないか、予定しているシャツを着ても窮屈でないかを確認。袖口の好みと、服全体が体に合うかは分けて考えたいところです。
服全体の形やゆとりを見たい方は、服のシルエットは何で決まる? 素材・パターン・体型の関係も参考にしてください。
本切羽の袖丈直しは、実物次第
すでに開いたボタンホールは、ボタンを付け替えるだけでは移動できません。袖先を短くすると、袖口と穴との距離や見た目にも影響します。
とはいえ「本切羽は直せない」「必ず肩から詰める」とも限りません。SECOND HOUSEは本切羽の袖口からの調整と、肩先からの調整を別々に案内しています。[2] どちらが可能かは、穴の位置、希望する寸法、袖や肩の作りを見て判断する必要があります。
購入前は、この三つを確認
- 今の袖丈で着られるか。直すなら、どれくらい変えたいか。
- 袖口のボタンホールは、すでに開いているか。
- 希望の長さに直したとき、見た目や着心地はどう変わるか。
通販では、本切羽かどうかに加えて、袖丈、採寸位置、お直しの相談先も確認しましょう。袖口が写っていても、ボタンホールが開いているとは限りません。不明な点は購入前に店へ確認し、袖口の仕様だけで候補を絞らないことが大切です。
本切羽を楽しむなら、開閉できる細部の面白さを味わいつつ、まずは着たときの納得感を。袖口は服を見る入口になりますが、値札や品質の答え合わせを一か所に任せないことが大切です。
参考資料
2026年11月2日確認。
[1] 麻布テーラー博多店「オーダーする際の人気オプションについて。」(2023-02-06)


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