肩からゆっくり落ちるコート、たっぷりと幅を取ったパンツ、色の奥行きが伝わるニット。ssstein(シュタイン)の服は、一見すると静かです。それでも全身で見ると、布の分量や縦のラインが印象に残ります。
タイムレスな服を探すとき、シンプルさに加えて見たいのが、素材とシルエットです。シュタインは、その両方を考える入口になるブランド。この記事では、デザイナーと歴史、旧表記のsteinとの関係、公式ストアに掲載された3商品、購入前に確認したいポイントを紹介します。
sssteinとは? 浅川喜一朗が手がける日本のブランド
シュタインは、浅川喜一朗が2016年に始めた日本のファッションブランドです。メンズとウィメンズを展開し、ウェアに加えてバッグやアクセサリーも手がけています。FASHION PRIZE OF TOKYOの公式プロフィールによると、浅川は1986年生まれ、山梨県出身。2016年4月に東京・神宮前でセレクトショップ「carol」を開き、同年7月にパンツ3型からブランドを立ち上げました。
ブランド公式のABOUTには、静けさと動き、ミニマルとマキシマル、モードと伝統を組み合わせる考え方が示されています。服を見るときも、細身か大きめか、クラシックかモードかと一つの言葉で決めず、その間にあるバランスを探すと楽しめそうです。
ましゅの視点では、装飾を控えた服ほど、肩の位置や袖の長さ、生地の落ち方が重要になります。シュタインは「普通に見える服の、どこが少し違うのか」を見つけたい方に向いたブランドだと思います。
歴史と表記変更。steinとsssteinは同じブランド?
当初は「stein」の名前で、自店のcarolを通じて販売していました。前述の公式プロフィールでは、2017年9月に展示会形式での発表を開始し、2023年1月にはパリでの展示会、同年3月には東京でのファッションショーへと活動を広げた歩みが紹介されています。
2024年秋冬から、ブランドロゴの表記は「ssstein」に変更されました。読み方は引き続きシュタインです。古い商品ページや中古品に「stein」と書かれていても、それだけで別ブランドというわけではありません。購入時は表記だけでなく、シーズンや品番まで照らし合わせましょう。
変更の背景については、Vogueの浅川へのインタビューで、国際市場での商標上の問題を避けるためと説明されています。
さらに2024年には、FASHION PRIZE OF TOKYO 2025を受賞。2026年1月には、パリ・ファッションウィークの公式カレンダーにプレゼンテーションとして掲載されています。国内での服づくりを軸に、見てもらう場を海外へ広げてきたブランドです。
シュタインの特徴。素材と形から見る3つの魅力
1. 大きさの中にある、輪郭の整え方
シュタインを知るうえで、ゆとりのある形は見逃せません。ただ、オーバーサイズという言葉だけでは、長いコートも幅広のパンツも同じ説明になってしまいます。
見るときは、肩が落ちる位置、身幅と着丈の比率、裾に向かって生地がどう流れるかに分けてみてください。前を閉めたときと開けたときで形が変わるアウターは、両方の写真を確認するとイメージしやすくなります。大きめの服に慣れていない方ほど、身幅の数字だけでサイズを下げず、全身の見え方も比べたいところです。
2. 無地でも表情をつくる、生地の選び方
後で紹介するコート、トラウザーズ、ニットは、いずれもウールを使っています。しかし、二重織メルトン、ギャバジン、編み地では、見え方も形の出方も異なります。
素材名を確認した次は、表面がなめらかか、毛羽があるか、折れ目がはっきり出るかに注目しましょう。同じグレーでも、光を反射する生地と柔らかく受け止める生地を重ねると、色を増やさず変化をつけられます。無地の服が好きな方には、こうした違いを楽しめる点が魅力だと思います。
3. 日常で着ることを見据えた、静かな存在感
主催団体によるデザイナーインタビューでは、浅川は、日常の外出で自然に着られ、気持ちが前向きになるような服を目指す考えを語っています。ミニマルな美しさを大切にしながら、特別な場所だけに用途を限らない姿勢が伝わります。
タイムレスかどうかを考えるときも、発売からの年数だけで判断する必要はありません。手持ちの靴やパンツに合わせられるか、数年後も着たいと思える分量か。自分の生活との接点を探すと、高価な服を買う理由も整理しやすくなります。
実際の3商品で見る、素材・価格・サイズ
以下は2026年11月5日に公式ストアで確認した商品です。価格は公式の商品ページ掲載額を記載しています。色やシーズンによって仕様が変わるため、同名の別商品と混同しないよう、リンク先と品番を合わせて確認してください。
1. WOOL MELTON OVERSIZED INVESTIGATED COAT
公式商品ページにある、品番ST.1530のバルカラーコート。掲載価格は134,200円、確認色はKHAKI GREYです。表地はウール100%、裏地はキュプラ100%、日本製。Super120’sの原料を使った梳毛の二重織メルトンに、毛羽を抑える仕上げを施しています。
公式設定寸法のSは、肩幅53.5cm、身幅67cm、袖丈63.5cm、着丈120cm。総裏仕立てで、ゆとりと長さのある一着です。
長いコートを選ぶなら、裾の位置と、前を開けたときに見えるパンツの分量を確認したいところ。普段使うバッグを持ち、階段や椅子で丈がどう感じられるかまで試せると安心です。ましゅの視点では、このコートは細かな装飾より、面として広がる生地の表情を楽しみたい候補です。
2. LONG WIDE TROUSERS
BLACKの公式商品ページに掲載されている、品番ST.1602のツータックパンツです。掲載価格は47,300円。ウール100%、日本製で、Super120’sの原料を高密度に織ったオリジナルのウールギャバジンを使用しています。
Sの公式設定寸法は、ウエスト80cm、股上31.4cm、股下76.3cm、裾幅28.5cm。太もも周辺から裾まで幅を取りながら、全体をすっきり見せる設計です。
ワイドパンツは、足元にどれくらい生地を重ねるかが印象を左右します。試着ではいつもの靴に合わせ、腰の位置を変えて確認しましょう。裾上げを考える場合も、先に仕上がりの丈を決めておくと、ワイドな輪郭をどう残すか相談しやすくなります。
3. EXTRA FINE WOOL KNIT CREW NECK LS
GREYの公式商品ページで確認できる、品番ST.1634のクルーネックニット。掲載価格は41,800円、ウール100%、日本製です。オーストラリアの2つの産地のファインメリノラムをブレンドし、12ゲージの天竺編みに。縮絨によって膨らみと弾力を持たせています。
Sの公式設定寸法は、肩幅44.3cm、身幅59cm、袖丈59cm、着丈66.5cm。リラックスしたフィットで、前のコートとは肩幅や着丈の比率が異なります。
初めてなら、こうした無地のニットを手持ちのパンツに合わせるところから考えるのもよさそうです。首元からインナーを見せるか、そのまま着るかでも印象が変わります。肌に直接触れる部分の感触は好みが分かれるので、素材名だけで快適さを決めず、試着で確かめてください。
公式映像で見る、2026年秋冬のシルエット
静止画ではつかみにくい、歩いたときの裾や袖の動きも見てみましょう。下は、ブランド公式の26FW RUNWAY PARISページに掲載されている映像です。
まずは気になる一つの着こなしを選び、トップスとパンツの丈、靴が見える量を追ってみてください。全身をそのまま再現するより、気に入ったバランスを一つ取り入れると、普段の服にもつなげやすくなります。公式ページの各ルックには商品名も掲載されており、形から気になったアイテムを調べられます。
サイズとケア。長く着るための確認事項
公式サイズ表は「設定上の寸法」として案内され、仕様や加工で実物との差が出る場合があります。普段Sを着ているから今回もS、と即決せず、手持ちの服を平置きで測って比べましょう。コートなら中に着るニット、パンツなら普段の靴を含めて判断するのがおすすめです。
今回のコートとパンツには、公式に水洗い不可、漂白不可、タンブル乾燥不可、ドライクリーニングなどの案内があります。アイロンは低温・当て布使用。ウール製品だから同じ手入れでよいとは限らないので、購入した服の洗濯表示を優先してください。ニットは今回確認したページに具体的な洗濯方法の記載がなかったため、販売店で確認してからケアを決めたいところです。
また、収納場所やクリーニング代も、購入前に考えておくと安心です。長く付き合う一着を選ぶなら、着る機会と同じくらい、無理なく手入れを続けられるかも大切にしたいと思います。
sssteinはどこで買える?
まず確認したいのは、ssstein公式オンラインストアです。写真、素材、サイズ表に加えて、各商品の取扱店情報も掲載されています。
試着先は公式STOCKIST一覧から探せます。東京ではcarol、1LDK apartments.、International Gallery BEAMS、バーニーズ ニューヨーク銀座店などが掲載されています。店舗ごとに仕入れる型や色が異なるため、来店前に品番と希望サイズを伝えて確認するのが確実です。
公式STORE GUIDEでは、購入者都合の返品・交換は原則不可とされる一方、未使用・タグ付きで在庫がある場合のサイズ交換は例外として案内されています。期限や送料の条件もあるので、注文前に目を通しておきましょう。
まとめ。静かな服ほど、素材とバランスを見たい
シュタインは、パンツ3型から始まり、国内外へ発表の場を広げてきたブランドです。その服を選ぶときは、名前の話題性より、どんな生地が、どんな形をつくっているかを見ると魅力が伝わりやすいと思います。
ましゅの視点では、タイムレスな一着を探すなら、まず自分が好きな分量を知ることが近道です。コートの長さ、パンツの幅、ニットのゆとり。そのどこに惹かれるかを起点に、何度も着たいと思える一着を探してみてください。
情報確認日:2026年11月5日。価格・取扱店・在庫は変更される場合があります。本記事は公開情報に基づく紹介で、筆者による所有・着用レビューではありません。

