ふんわりと毛足のあるニット、身体を包むコート、裾までゆとりを持たせたパンツ。YOKE(ヨーク)の服は、見慣れたアイテムの中に、色や輪郭の小さな違いがあるのが魅力です。派手なロゴよりも、生地の表情や着たときのバランスで印象をつくりたい人に、気になるブランドではないでしょうか。
この記事では、ヨークの成り立ちから、素材とシルエットの特徴、実在する3商品、購入先まで紹介します。ニットのイメージが強い方も、コートやデニムまで見ると、ブランドの考え方がより立体的に見えてきます。
YOKEとは? 「つなぐ」を出発点にしたブランド
YOKEは、寺田典夫が2018年秋冬に始めた日本のファッションブランドです。公式のブランド紹介では、名前に込めた「つなぐ」という考え方を、服をつくる工程と人の関係に重ねています。原料が糸になり、生地になって、裁断や縫製を経て一着になる。その過程に関わる人々まで含めて、服を捉えているブランドです。
デザインの基本にあるのは、素材とパターンへのこだわり。コート、シャツ、カーディガンといった身近な服を土台にしながら、現代的な形やディテールを加えています。ユニセックスで着られる服を提案してきた歩みもありますが、現在の展開はそれだけにとどまりません。
公式サイトによると、2026年秋冬には初のウィメンズコレクションが登場。素材や構造への考え方を共有しながら、身体に沿う線や比率を広げています。過去の紹介にある「ユニセックス」という言葉だけで、今のヨークを決めつけないようにしたいところです。
歴史とデザイナーの背景
寺田は文化服装学院のデザイン専攻科を卒業後、国内ブランドやセレクトショップでデザインと生産管理を経験し、2016年に独立しました。その後、2018年秋冬からYOKEをスタートしています。日本ファッション・ウィーク推進機構のプロフィールからも、デザインだけでなく生産の現場を知る経歴が確認できます。
ブランドを知る節目として押さえておきたいのが、TOKYO FASHION AWARD 2022の受賞と、2022年秋冬の初ランウェイです。主催者のインタビューでは、美術館を思わせる会場で、モデルが作品を眺めるように歩く演出を振り返っています。服とアートを結びつける姿勢が、発表の方法にも現れていました。
2024年10月19日には、東京・北青山に初の旗艦店が開店。YOKE AOYAMAの公式案内には、余白を意識した空間や、デザイナーが選んだ椅子なども紹介されています。服の単体写真だけでなく、どのような空間で見せたいのかにも美意識がうかがえます。
さらに寺田はFASHION PRIZE OF TOKYO 2026を受賞。パリでの発表を支援するこの企画の一環として、2026年3月15日には東京でコレクション発表イベントが設けられました。主催者のイベント案内で確認できる、ブランドの活動範囲が広がってきた一例です。
YOKEの特徴。素材と形から見る面白さ
アートの色や構造を、日常の服へ落とし込む
ヨークのコレクションを理解する入口の一つが、アーティストからの着想です。前述の主催者インタビューでは、アンニ・アルバースからヨゼフ・アルバースへと、関連する作家を調べながらテーマをつないでいく制作の流れが語られています。
2026年秋冬の着想源はジャン・アルプ。公式コレクションページでは、丸みや左右非対称の構造などを通じて、身体の動きによって変わる形を探っています。絵柄をプリントすることだけが、アートを服に取り入れる方法ではありません。色の混ざり方、服のふくらみ、裾の線を見ると、着想と服の距離が縮まります。
「柔らかそう」だけでは終わらない素材選び
ニットの毛足と、コートの張り。同じ秋冬の服でも、ヨークが選ぶ素材の方向は一つではありません。後で紹介するカーディガンは複数の糸を組み合わせて表情をつくり、コートは密度のある生地で輪郭を支えています。
ましゅの視点では、ここがヨークを見るときに面白いところです。素材名に高級感があるかだけでなく、その生地がどんな形をつくるために使われているかを考えたい。柔らかく落ちる服と、襟や裾に芯を感じる服では、同じゆとりのあるサイズでも印象が違います。
ゆったりした服を、全身の比率で選べる
身幅が広い、パンツが太い、といった言葉だけでは、シルエットの違いはつかめません。上着の丈、肩から袖のつながり、腰回りと裾の幅の関係まで見ると、自分の服装に取り入れる場面が想像しやすくなります。
例えば、存在感のあるニットなら、合わせるパンツの色や質感は控えめに。長いコートなら、前を開けたときに見えるインナーの丈も意識する。最初から全身をヨークでそろえるより、手持ちの服に一着加えて、形の違いを楽しむ選び方がおすすめです。
実際の3商品で知るYOKE
以下は2026年11月5日に公式商品ページで確認した、2026年秋冬の商品です。価格は税込。定番として毎年同じ仕様で販売されるとは限らないため、購入時は品番も確認してください。
1. Wool Mohair Blend Mottle yarn Triple Marl Cardigan
公式商品ページの品番はYK26FW01394S、価格は57,200円。素材はウール82%、モヘア10%、ナイロン6%、カシミヤ2%で、サイズは1・2・3です。
質感の異なる3本の糸を合わせたカーディガンで、毛足と色の混ざりが見どころ。第一ボタンの位置が高めに設定されており、閉じると胸元の開きが浅くなるつくりです。前を開けて羽織る場合と、ボタンを留めて一枚のトップスとして見せる場合で、印象を変えやすそうです。
柄ものに挑戦するほどではないけれど、無地だけでは少し物足りない。そんなときに、糸の色が混ざったニットは候補になります。ましゅの視点では、シャツやパンツの色を拾って合わせると、ニットの表情を生かしながらまとまりをつくれそうです。
2. Wide Straight Denim 5P Pants
公式商品ページでは、品番YK26FW01340P、35,200円。素材は綿100%、サイズは1・2・3です。12オンスのデニムを使いながら、縦糸と横糸のバランスで、数字以上にしっかりした見え方を狙っています。
幅のあるストレートシルエットに、後ろウエストのゴムを組み合わせた一本。腰回りのフィットと裾のボリュームを両立させる設計です。ポケット周辺はステッチを減らした仕上げで、ワークウェア由来のデニムを、すっきりした印象に寄せています。
デニムは生地の色だけで選びがちですが、この一本なら裾と靴の関係を先に見たいところ。革靴に軽く重ねるのか、スニーカーの上にためるのかで、同じパンツでも重心が変わります。商品名が似た別モデルと混同せず、品番を軸に比較しましょう。
3. Wool Cashmere Double Breasted Rever Coat
公式商品ページに掲載された、品番YK26FW01317Cのダブルブレストコートです。価格は132,000円、ウール85%・カシミヤ15%、サイズは1〜4。
密度の高いメルトン生地をリバー縫製で仕立て、裏地を省いた仕様です。ゆとりのある形でも輪郭が崩れにくいよう、生地に張りを持たせています。ふわふわした見た目だけを求めるコートとは、素材の使い方が異なる一着です。
長く着るコートを探すなら、肩を落とした雰囲気や、裾の広がりが自分の普段着に合うかを確認したいと思います。実際の重さや暖かさは、商品説明だけでは判断しきれません。いつも中に着るニットを合わせ、腕を動かしたときや椅子に座ったときまで試せると選びやすくなります。
公式映像で見る、動いたときのシルエット
下の映像は、Rakuten Fashion Week TOKYOのYOKE公式紹介ページの2026 A/W欄に掲載されているショーです。裾の揺れ、袖の量感、歩いたときの服と身体の間隔を見ると、静止画とは違う発見があります。
この記事の3商品の着用を一律に示す映像ではありません。各商品の形や細部は、リンク先の公式写真もあわせて確認してみてください。
サイズ選びと手入れで確認したいこと
サイズ番号を、他ブランドのS・M・Lにそのまま置き換えるのは避けたいところです。まず手持ちの服で好みのバランスを探し、トップスなら着丈・身幅・肩幅・袖丈、パンツならウエスト・股上・股下・裾幅を比べましょう。ヨークの公式商品ページにはSize Guideが用意されています。
大きめの服に慣れていない場合は、正面だけでなく横と後ろも確認すると安心です。肩の落ち方が自然か、袖が手元にたまりすぎないか、コートの裾が日常の移動で扱いやすいか。身長が同じモデルの着用例でも、肩幅や好みのゆとりは異なります。
手入れは、実物の洗濯表示を優先してください。ウールやモヘア混のニット、リバー仕立てのコート、綿のデニムでは確認すべき点が違います。ニットは保管時の伸び、デニムは洗濯時の色移りにも気を配り、家庭洗濯の可否が分からなければ、購入店やクリーニング店に相談するのが確実です。
YOKEはどこで買える?
まずはYOKE公式オンラインストアで、現在のコレクションや商品の仕様を確認できます。販売店ごとに扱う色やサイズは異なるため、最新の在庫を確認してください。
試着できる場所を探すなら、YOKE AOYAMAや公式取扱店一覧が入口になります。青山店は東京都港区北青山2-11-15 町田ビル2階。公式一覧には1LDK apartment.、ELIMINATOR、バーニーズ ニューヨーク各店、ACRMTSMなどが掲載されています。
取扱店でも全商品がそろうわけではないため、見たい品番とサイズを来店前に確認しましょう。通販では寸法に加え、返品・交換条件も注文前に確認しておくと、サイズに迷ったときの判断がしやすくなります。
まとめ。素材と輪郭を楽しみながら、長く付き合う
YOKEは、人やものづくりのつながりを出発点に、アートの着想と日常の服を結びつけてきたブランドです。毛足のあるニットだけでなく、輪郭を支えるコートや、腰回りまで考えたデニムにも、その姿勢が現れています。
ましゅの視点では、タイムレスな服を選ぶときも、無難さだけを基準にする必要はないと思います。好きな色の混ざり方や、繰り返し着たくなる形があることも大切。ヨークを選ぶなら、素材の名前、全身の比率、手持ちの服との組み合わせを順に見ながら、自分にとって長く付き合える一着を探してみてください。
情報確認日:2026年11月5日。価格・在庫・取扱店は変更される場合があります。本記事は公開情報に基づくブランド紹介です。

