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古着の魅力を知るほど、昔の服をそのまま着ることと、いまの生活で使いやすい服を選ぶことは、必ずしも一致しないと気づきます。*A VONTADEは、その間を素材と縫製から考えている日本のブランドです。
この記事は、公式サイト、直営店の商品説明、デザイナーの公開インタビューをもとにした紹介と考察です。筆者の購入・着用・試着レビューではありません。情報は2026年11月6日に確認しました。
ましゅのブランド紹介では、価格の高さやブランドの格付けより、形・素材・独自性を重視します。今回は「昔の服のどこを残し、どこを作り替えているのか」を入口に、ア ボンタージを見ていきます。
*A VONTADEとは。古い仕事着を、日本のものづくりで日常へ
公式サイトでの表記は、先頭にアスタリスクを付けた「*A VONTADE」です。欧米のミリタリー、ワーク、ドレス、スポーツウェアを背景に、日本で製作することを重視しています。
公式のブランドコンセプトで軸になっているのは、用途のある服を道具として捉えること。見た目の記号だけを借りるのではなく、引き継ぐ価値のある素材や機能を選び直す姿勢が示されています。
ここは、服を選ぶ側にも使える考え方です。大きなポケットが付いているからワークらしい、太いから軍物らしい、という判断からもう一歩進める。縫い目の処理や生地の仕上げが、使い方とどうつながるかまで読むと、似た形の服同士にも違いが見えてきます。
歴史とデザイナー。2003年、パンツから始まった理由
デザイナーは山川和恭氏。公式サイトでは「Kazuyuki Yamakawa」と紹介されています。日本語氏名はBeginのデザイナー紹介でも確認できます。
ARCHが2022年に公開した本人インタビューによると、ブランドは2003年にスタート。山川氏は以前の勤務先で欧米の工場を訪れ、その国の背景が服に表れるものづくりに接した経験から、自身のブランドでは日本製を中心に据えたと説明しています。
出発点はボトムスでした。輸入品のパンツが自分の体形にしっくりこなかったことから、求める形を自分で作ろうと考えたそうです。その後、シャツやアウターへと品目を広げています。
この経緯を知ると、ブランドの日本製という言葉も具体的になります。単に産地を示すラベルではなく、好きだった海外の服を、自分の身体と生活に引き寄せる方法だったのでしょう。これは公開された発言を踏まえた、ましゅの読み方です。
2011年には、中目黒に旗艦店BRICKLAYERが開店。店舗の紹介では、ブランドのラインナップに加えて、限定品や欧米の輸入品も扱うと案内されています。
特徴は、縫製と生地を一緒に考えていること
ア ボンタージを「上品なアメカジ」と一言で整理すると、服の中身が見えにくくなります。今回取り上げるチノとデニムジャケットを比べると、製品ごとに違う仕事をしていることが分かります。
チノでは、縫い代の始末やベルトループの取り付け方に踏み込む。一方のデニムでは、糸の原料や織り方に加え、洗い後の表情まで設計する。どちらも古い服を参照していますが、参照する場所が同じではありません。
ましゅとしては、この違いを価格の理由として丸暗記するより、自分が何に魅力を感じるかの判断材料にしたいです。裏側の作りに惹かれるならチノ。染めや織りの変化を楽しみたいならデニム。ブランドをひとまとめに褒めるより、一着ごとに気になる工程を見つける方が、選ぶ楽しみは深くなります。
代表的な一着① Type 45 Chino Trousers
直営店の商品ページで確認したのは、品番VTD-0340-PT3。綿100%、日本製で、掲載価格は26,400円(税込)です。ブランドの定番として紹介されています。
1945年の米軍チノ、通称「45カーキ」を着想源にしたモデル。脇や内股などを巻き縫いにせず、縫い代を左右に開く割り始末を採用しています。高密度のチノクロスにはワッシャー加工が施され、後ろポケットにはフラップを付けています。
このパンツで見ておきたいのは、太さだけではありません。縫い代を重ねて包む方法とは異なる始末を選ぶことで、軍用チノをどう解釈しているかが表れる。その違いは正面写真より、裏側や縫い目の近接写真に出ます。
割り始末を使っているからすべての点で優れている、とは言えません。縫製にはそれぞれ目的があり、強度や厚みの出方も条件次第です。それでも、仕様を知ってから服を見ると、無地のチノが単なる無難な一本には見えなくなります。
使い方を考えるなら、まず裾を必要以上に長く余らせず、直線的な脚の形を活かす方法。シャツを合わせても、作業着らしい太さを残せます。革靴で整えるか、キャンバス靴で軽くするかによって、同じチノの見え方を変えるのも一案です。
サイズは身体寸法ではなく、商品ページの製品サイズ表で確認してください。掲載シーズンの明記は見当たらなかったため、本記事では特定の秋冬新作として扱っていません。
代表的な一着② Coal Mine Blouse -13.5oz Denim-
もう一着は、Coal Mine Blouseの直営店掲載モデル。品番はVTD-0541-JK2、綿100%、日本製。確認時の掲載価格は37,400円(税込)です。
1900年代初頭の炭鉱夫の服をイメージしたショートジャケットで、特定の歴史的製品をそのまま復刻したという説明ではありません。13.5オンスのセルビッチデニムに、経糸のジンバブエ長綿と緯糸の茶綿を組み合わせています。
前後にタックを設け、脇にスリットを備え、腰のバックルで形を調整できる構造です。小ぶりな襟やボタンも含め、アメリカとヨーロッパの仕事着の要素を組み合わせた一着として紹介されています。
ましゅの視点では、ここがブランドの独自性を読みやすい部分です。「昔の炭鉱服だから格好いい」で終わらず、生地と細部を別々に選んで組み直している。歴史的な正確さを競う服ではなく、どの要素を一緒に置くと魅力的かという編集のある服、と捉えられます。
腰のバックルも、飾りとして見過ごすのはもったいないところ。裾側を調整すると、前後のタックが作る量感との関係を確かめられます。買う前には、背面、脇、留め具の写真も見たいです。正面の色やポケットだけでは、この服の調整できる部分まで分かりません。
なお、オンスは生地重量を示す目安で、着用時の硬さをそのまま表す数値ではありません。こちらも掲載シーズンは断定せず、確認した品番の仕様として紹介しています。
購入先と公式ルックの見方
基準にしやすい購入先は、BRICKLAYERのオンラインストアです。実店舗は東京都目黒区上目黒4-9-3。来店前に営業案内と目的の商品の扱いを確認しましょう。
他地域の店舗は、公式取扱店一覧から探せます。この一覧は2026SSのページなので、掲載があっても全商品や全サイズの在庫を意味しません。
公式サイトのコレクションでは、服単体と全身の組み合わせを行き来して見るのがおすすめです。商品ページで知ったチノの直線や、ジャケットの丈が、組み合わせの中でどう働いているかを確かめられます。
取り扱い商品を探す
同名商品でも、生地や加工、品番末尾によって仕様は変わります。価格だけで比較せず、紹介モデルと同じ品番・色かを確認してください。表示価格や在庫は変更される場合があります。
楽天市場で見るBaggies Jacket Ver.2
Crouka LRにはBaggies Jacket Ver.2(VTD-0583-JK)が通常の新品商品として掲載されています。確認時の税込表示価格は64,900円で、販売店は正規取扱店と案内しています。
表地はナイロン60%・綿40%。裏地、ポケット袋布、中綿はポリエステル100%で、日本製です。高密度の表地には撥水加工を施し、中綿には3M THINSULATEを使用するとの説明。撥水は完全防水を意味しません。本文のデニムジャケットとは保温材もケアも異なるので、用途に合わせて比較してください。
商品画像・リンク提供:楽天アフィリエイト。上記は2026年11月6日の確認時点の掲載例です。価格・在庫・送料・状態・返品条件はリンク先の販売店で確認してください。
まとめ。裏側の仕事から、服を選ぶ楽しさを広げる
*A VONTADEは、欧米の服を背景に持ちながら、日本で作る意味を素材と縫製に落とし込むブランドです。パンツから始まった歴史を知り、割り始末のチノと独自のデニムジャケットを見比べると、その方法が具体的になります。
ましゅが紹介したいのは、知識を持っている人だけが楽しめる服、という見方ではありません。「この縫い方は何のためだろう」「この調整具はどう使おう」と、一つ気になる場所から入れる服です。値段や評判で結論を出す前に、服の内側にある工夫まで見て選ぶ。その入口として、ア ボンタージは調べがいがあります。
情報確認日:2026年11月6日。価格・仕様・在庫・店舗情報は変更される場合があります。


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