【SAINT LAURENT(サンローラン)とは】ブランド紹介、歴史、特徴、購入先

白地に黒い文字でSAINT LAURENTと記したブランドガイドの表紙 インポート

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SAINT LAURENT(サンローラン)は、1961年にイヴ・サンローランとピエール・ベルジェがパリで創業したフランスのブランドです。黒いスーツやYSLのロゴがよく知られていますが、幾何学的な色のドレス、刺繍を重ねたジャケットにも、ブランドを知る手がかりがあります。

光沢のある大きなラペルの黒いジャケットと長い黒のパンツを、白系のスカーフとシルクハットに合わせたスモーキングの展示。
サンローラン・リヴ・ゴーシュの「ル・スモーキング」イブニング・スーツ(1982年頃)。光沢のあるラペルと黒いパンツが、淡色の首元を引き立てる。The Museum at FIT所蔵。 写真:Eileen Costa © The Museum at FIT、CC BY-SA 2.0。取得した原本画像の表示サイズ調整のみ。

まず見たいのが、この黒いイブニングスーツ。短いジャケットの襟に光沢があり、淡色の首元と長いパンツが縦の線を作っています。The Museum at FITが所蔵する1982年頃の作品です。スモーキングという服の考え方が、年代を越えて作り直されてきたことが分かります。

この記事では、スモーキング、モンドリアン・ドレス、サファリジャケットを入口に、ブランドの歴史とデザイナー、名前の違い、公式サイトで仕様を確認できる製品を整理します。実物の作品写真と一次資料に基づく紹介で、購入・着用レビューではありません。

創業者は、ディオールの後継者だった

イヴ・サンローランは、自分のブランドを始める前にクリスチャン・ディオールのアトリエで働いていました。イヴ・サンローラン美術館の解説によると、1957年にディオールが亡くなった後、21歳で後を継ぎます。1958年にはディオールで最初のコレクションを発表しました。

その後、ピエール・ベルジェとともに自身のメゾンを設立。美術館が記録する創業は1961年で、初コレクションの発表は1962年1月29日です。創業年と、初めて服を発表した年を分けると、資料による年の見え方が理解しやすくなります。

1966年には、既製服のSAINT LAURENT rive gauche(リヴ・ゴーシュ)を展開します。オートクチュールは、顧客のために仕立てる注文服。レディ・トゥ・ウェアは、規格のサイズで作られる既製服です。サンローランは、後者にもデザイナーの表現を広げていきました。

リヴ・ゴーシュはフランス語で「左岸」。ブランドの公式史では、パリの左岸に開いた店の場所と、そこに結びつく文化を踏まえた名前として説明されています。後年の古着にこの表記があっても、それだけで制作年やデザイナーまで確定できるわけではありません。

スモーキング。男性服の形を、そのまま移すのではなく

女性のためのスモーキングを発表したのは、1966年秋冬です。美術館の公式解説は、男性の服を単純に複製したのではなく、その約束事を女性の身体に合わせて作り直したと説明しています。

冒頭の1982年頃の作品では、肩や襟が形を作る一方、ジャケットの短さによって、パンツが長く見えます。黒一色のようでも、襟と本体では光の反射が違う。首元の淡色がどれくらい見えるかも含めて、一つのバランスになっています。これは1966年の最初の一着そのものではありません。

スモーキングを見るときは、「黒いジャケットだから同じ」とまとめず、襟の形、ボタンの位置、ウエストの絞り、パンツの太さを見たいところです。強い印象は、装飾の多さだけから生まれるわけではないことが分かります。

モンドリアン・ドレス。平面の絵を、身体に沿う服へ

1965年には、画家ピエト・モンドリアンの作品に着想したドレスを発表しました。ライクスミュージアムの所蔵作品を公式ページで見ると、淡い色の面を黒い線が区切り、肩の一角に黄色が入っています。袖がなく、裾までほぼまっすぐ落ちる形が、色の配置を見えやすくしています。

イヴ・サンローラン美術館の解説では、絵画を立体のドレスへ変える試みとして紹介されています。ここで面白いのは、図案を載せることだけでなく、服としてどう作るかという点です。

メトロポリタン美術館が所蔵する同時期の別作品の解説によると、色ごとのジャージーをはめ込み、縫い目の格子に身体の形に合わせる処理を組み込んでいます。絵のような平らな見え方を保つために、裁断と縫製が働いているのです。ライクスミュージアムの一着とMetの所蔵品は、同じ個体ではありません。

正面の模様だけでなく、脇へ回った線や、肩から裾への落ち方を見る。そうすると、グラフィックとして知っていたドレスが、布でできた立体として見えてきます。

サファリジャケット。ポケットとウエストが作る形

編み上げの前開きと胸・腰の四つのフラップポケットを備えたカーキ色のサファリ・ジャケット。輪をつないだベルトを合わせた展示。
サンローラン・リヴ・ゴーシュのサファリ・ジャケット(1968年、綿)。四つのポケットと前中央の編み上げが特徴。展示で合わせたベルトは1975年頃の別作品。The Museum at FIT所蔵。 写真:Eileen Costa © The Museum at FIT、CC BY-SA 2.0。取得した原本画像の表示サイズ調整のみ。

こちらはFITが所蔵する1968年のサファリジャケットです。胸と腰に大きなフラップ付きポケットがあり、前はひもで編み上げられています。広めの襟とポケットには実用服の雰囲気が残り、身体の中心を走るひもが縦の線を強めています。

写真で組み合わされた円形パーツのベルトは、1975年頃の別作品です。ジャケット本来の付属品や1968年当時の一式とはせず、展示上の組み合わせとして見ます。

美術館のサファリジャケット史では、ショーへの登場は1967年、広く知られるきっかけとなった『Vogue Paris』向けの特別なモデルは1968年と区別されています。その後、リヴ・ゴーシュの既製服でも展開されました。

着こなしとして参考にするなら、ポケットの数だけでなく、どこでウエストを区切るかに注目したいです。ベルトを高い位置に置くのか、腰に落とすのか、前を開けるのか。同じ形のジャケットでも、上半身と脚の分量が変わります。

ゴッホへのオマージュ。刺繍で、表面に奥行きを作る

黄色や橙色のひまわりと緑の葉を全面に立体的に刺繍した、丸い襟ぐりと前ボタンの短いイヴ・サンローランのジャケット。
「フィンセント・ファン・ゴッホへのオマージュ」のジャケット(1988年春夏)。ひまわりの花と葉を、メゾン・ルサージュの刺繍で服の表面へ置き換えている。Musée Yves Saint Laurent Parisでの展示。 写真:dalbera (Jean-Pierre Dalbéra)、CC BY 2.0。取得した原本画像の表示サイズ調整のみ。

1988年春夏には、ゴッホの「ひまわり」と「アイリス」に着想したジャケットを発表しました。美術館の公式記録では、メゾン・ルサージュが刺繍を担当したと説明されています。

写真の「ひまわり」のジャケットは、丸い首元から裾まで花と葉が広がっています。花びらには盛り上がりがあり、小さな粒のような部分と、太い線で流れる部分が重なっている。遠目で見る色の塊と、近くで見る細かな表面が違います。

モンドリアン・ドレスが平らな面と線を際立たせるのに対して、こちらは表面そのものに厚みや光を加えています。黒い仕立て服だけでなく、こうした鮮やかな作品もサンローランの重要な一面です。

イヴ・サンローラン、Saint Laurent、YSLはどう違う?

イヴ・サンローランは創業者の名前であり、メゾンの歴史に使われる名前でもあります。2012年、エディ・スリマンの就任とともに、レディ・トゥ・ウェアのブランド表記は「Saint Laurent」へ改められました。公式史は、1966年の既製服の名称とロゴを参照した変更と説明しています。

一方、Y・S・Lを組み合わせたモノグラムは、カッサンドルが手がけたもの。現在のバッグなどにも残っています。「Saint Laurentは服、YSLという文字があれば化粧品だけ」という分け方はできません。

化粧品や香水は、ロレアルの公式ブランド紹介にYves Saint Laurent Beautéとして掲載されています。同じ名前の由来を共有していても、服のサイズや素材の話と、ビューティー製品の話は分けて確認すると混乱しません。

歴代デザイナーと、2026年の体制変更

1990年代後半には、アルベール・エルバスがウィメンズ、エディ・スリマンがメンズの既製服を担い、創業者はオートクチュールを続けるという時期がありました。「その年のサンローラン」を一人の名前だけでまとめられない理由です。

  • 2000年:トム・フォードがメンズとウィメンズの既製服を率いる。
  • 2002年:創業者イヴ・サンローランが引退。
  • 2004年:ステファノ・ピラーティがクリエイティブ・ディレクターに就任。
  • 2012年:エディ・スリマンが就任し、Saint Laurentの表記へ。
  • 2016年:アンソニー・ヴァカレロが就任。
  • 2026年10月9日:ヴァカレロの退任を公式発表。

最後の項目は、ケリングの退任発表によるものです。同年10月22日の公式更新でも、新たなクリエイティブ体制は今後発表するとしています。2026年11月4日の資料確認では後任を確定できていないため、噂の人物名を現デザイナーとして載せていません。

過去の作品を見るときは、デザイナーとシーズンを一緒に確認します。細いパンツの印象だけ、あるいは大きな肩の印象だけで、長い歴史全体を決めてしまわない方が、好みの服を探しやすくなります。

ヴァカレロ期の公式映像で、服が動くところを見る

SAINT LAURENT公式:Women’s Winter 23。アンソニー・ヴァカレロ期のコレクション。
SAINT LAURENT公式:Women’s Summer 24。アンソニー・ヴァカレロ期のコレクション。

展示写真では、襟や縫い目をじっくり見られます。ランウェイでは、歩いたときに裾がどのくらい揺れるか、肩の幅が身体からどれくらい離れて見えるかを追えます。静止画と映像を行き来すると、服の輪郭をつかみやすくなります。

ここに掲載するのは2023年冬と2024年夏の公式映像です。現在の新体制や最新コレクションを示すものではありません。服のシルエットを素材・パターン・体型から考える記事も、見比べるときの参考にしてください。

今の製品を見る。ジャケットと二つのバッグ

歴史的な作品を知ったあとで、現行の商品ページを見ると、襟や持ち手の小さな違いが目に入りやすくなります。以下は確認時点で公式に仕様が掲載されている具体例です。昔の作品と同一品として紹介するものではありません。

  • タキシードジャケット:グランドプードルのシングルブレスト/ブラック(505327Y512W1000)。公式仕様はヴァージンウール100%、サテンのピークドラペル、1ボタン、フラップポケット。黒い本体と襟の光沢を分けて見る例になります。
  • LE 5 À 7 supple SMALL:グレインレザー/ブラック(850533AACQG1000)。カーフスキン、スエードの裏地、金属のカッサンドルを備えるタブ、内側のファスナーポケット、調節できるショルダーストラップを備えます。やわらかな形を持つシリーズですが、触感や重さは実物で確認したいところです。
  • SAC DE JOUR SMALL:グレインレザー/ブラック(378299B681N1000)。アコーディオン状の側面、レザーの裏地、中央のファスナーポケットで分かれる二つの収納部、取り外し可能なストラップが特徴。外形の端正さと、口を開いたときの構造を比べられます。

LE 5 À 7とSAC DE JOURは、同じスモールでも、寸法や収納構造は異なります。色やロゴの印象に加え、底の形、開口部、肩に掛ける位置、いつもの荷物が収まるかを見て選びます。

買う前に確認したいこと

  • 服はサイズ表記と実寸を確認:肩幅、身幅、着丈、袖丈、パンツの股上や裾幅を、手持ちの服と比較する。細身というイメージだけでサイズを決めない。
  • 年代とラインを分ける:創業者期のクチュール、リヴ・ゴーシュ、後継デザイナーによる服を区別する。販売店の年代表記は、根拠も確認する。
  • 素材は品番ごとに見る:同じバッグ名や同じ黒でも、革の種類、表面加工、金具、裏地が違う場合がある。
  • 中古品の状態を確かめる:襟や袖の摩耗、刺繍の欠け、裏地、ファスナー、バッグの角やストラップを確認。写真やロゴだけで真贋を判断しない。
  • 購入条件を確認:送料、税、返品・交換の期限と条件を見る。本文の公式リンクは仕様を知るためのもので、在庫や価格を固定するものではない。

黒い輪郭と、鮮やかな表面の両方を見る

スモーキングの襟、モンドリアンの黒い線、サファリジャケットのポケット、ひまわりの刺繍。サンローランの服は、同じブランドでも見どころが違います。形をすっきり見せる技術と、表面を華やかにする技術。その両方から見ていくと、ブランド名だけでは分からなかった服の面白さが見えてきます。

Sac de Jourの関連中古品を楽天市場で見る(広告)

販売店がSac de Jourのナノと記載している中古品です。本文のSmall 378299B681N1000とは別のサイズの紹介例で、当該販売ページには型番と素材の記載がありません。店の採寸は約高さ17cm・幅22cm・マチ7cm。表面と内側の擦れ・傷、金具の傷・くすみが記載され、ストラップと保存袋が付属します。現品写真と状態、地域による送料追加の有無を確認してください。


販売条件の確認日:2026年11月5日。価格・在庫・送料は変わるため、最新情報はリンク先でご確認ください。カードの商品名に含まれる表現は販売店によるものです。

参考資料

資料確認日:2026年11月4日。画像の撮影年と作品の制作年を区別し、展示上の組み合わせは元の一式として扱っていません。

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