はじめに
今回ご紹介するのは、韓国・ソウルを拠点に活動するファッションブランド、NEU_IN(ニューイン)。
一見シンプルでクラシックな服に見えて、実はそこには「記憶」「感情」「物語」が緻密に織り込まれています。
毎シーズン、ひとりの“架空のキャラクター”を軸にコレクションが構成されるという、まるで短編小説のような世界観。
ファッションと感情のつながりを重視するあなたに、ぜひ知ってほしいブランドです。
NEU_IN(ニューイン)とは|韓国発・物語を綴るブランド
**NEU_IN(ニューイン)**は、デザイナー **Seyong Kim(セヨン・キム)によって立ち上げられた韓国の新鋭ファッションブランド。
ブランド名は、ドイツ語の「neu(新しい)」と、英語の「in(人)」を組み合わせた造語で、“新しい人”**という意味を持ちます。
コレクションは毎回、ある“感情”や“記憶”を抱える架空の人物が主人公となり、その人物が纏う服という形式で物語が展開されます。
このように、NEU_INはデザインだけでなく、概念・背景・ストーリーすべてが一体となった“叙情的な服”をつくっているブランドなのです。
デザイナー Seyong Kim の背景と思想
Seyong Kim氏は、もともとファッションとフィルムの分野を横断する表現者。
学生時代から映像や演劇の中で「服と言葉の関係」に関心を持ち、NEU_INを立ち上げた後も、
ブランドの世界観を伝える“ファッションフィルム”を毎シーズン制作しています。
彼にとって服とは、“語られなかった記憶を再生するための装置”。
その思想がすべてのプロダクトに深く反映されています。
ブランドコンセプトと特徴|記憶・感情・架空のキャラクター
NEU_INのコレクションの最大の特徴は、架空の人物を中心に組み立てられる物語性にあります。
コレクションには毎回、そのキャラクターが持つ“象徴的なオブジェクト”が登場し、全ルックの中で繰り返し登場するよう設計されています。
この“象徴性のあるアイテム”は、ファッションというよりも文学・映画的。
たとえば:
- 手に残った“傷跡”をテーマにしたシーズンでは、斜めに走るプリーツや裂け目のようなカッティング
- “沈黙”をテーマにしたシーズンでは、あえて余白を感じさせるシルエットや省略された襟
など、感情や記憶を視覚化するための仕掛けが緻密に施されています。
代表的なアイテム紹介
Wide Tailored Pants
構築的なカッティングと、重心の低いシルエットが印象的なワイドパンツ。NEU_INらしい「過去の記憶」をテーマにしたゆとりあるフォルムは、静かに佇む存在感を放ちます。背面からサイドにかけての独特なドレープラインが美しく、まるで記憶の奥にある情景を布に投影したかのよう。素材は落ち感のあるウールライクな質感で、動きの中に詩的な余韻を感じさせます。

「歩くたびに“思い出”が揺れてるみたい…静かでかっこいいって、こういうのかもね!」
Leather Gloves
NEU_INのレザーグローブは、ヴィンテージのモーターグローブを再構築したような、静謐かつ研ぎ澄まされた佇まいが特徴。表面は上質なカウレザーで、適度な艶と柔らかさが手に馴染む逸品。甲部分には象徴的なプリーツディテールが施され、機能と造形美が交差するアクセントに。防寒具というより、スタイリングの“句読点”として使いたくなるアートピース的存在です。

「手を隠しても“美意識”は隠せない。そんなグローブだね。」
価格帯と購入先
NEU_INの価格帯は、デザイナーズの中では中〜やや高価格帯に位置します。
アイテム | 価格帯(円) |
---|---|
シャツ | ¥30,000〜¥50,000 |
ジャケット | ¥60,000〜¥90,000 |
パンツ・グローブなど | ¥25,000〜¥45,000 |
購入先:
- HYPE KYOTO(国内セレクト)
- SSENSE(海外通販・日本語対応)
- 一部POP-UPまたはInstagram限定の予約販売もあり
こんな人におすすめ
- ファッションに物語性や感情の余白を求めている
- 映画や演劇のような“シーン”を装いに取り入れたい
- YUEQI QI や JIAN YE などの“構築×詩性”を持つブランドが好き
NEU_INは、そうした“服の奥にある感情”を感じ取れる人にこそ響くブランドです。
まとめ|ファッションで“感情の記憶”を再生する
NEU_INの服は、ただ着るための衣服ではなく、
記憶を掘り起こすような“装置”であり、“演出”でもある。
感情をデザインに転写することで、人間の内面と向き合うきっかけを与えてくれる存在。
ファッションという枠を越えて、物語に“入り込む”体験をしたい方にこそ、NEU_INはおすすめです。
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