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見慣れたTシャツなのに、裾へ向かってねじれている。色落ちしたデニムを調べると、生地に使われているのは二酸化炭素を原料の一つとする糸。doublet(ダブレット)の服には、見た目で驚いたあとに、つくり方を知りたくなる仕掛けがあります。
派手な服、面白い服、という言葉だけでは収まらないブランドです。この記事では、井野将之の経歴とブランドの歴史、2026年秋冬の具体的な商品から、その発想を見ていきます。実着用レビューではなく、公開情報をもとにした紹介と考察です。
doubletとは? 井野将之が手がける「違和感のある日常着」
doubletは、デザイナーの井野将之とパタンナーの村上高士が2012年に立ち上げた日本のブランドです。2013年春夏からコレクションを展開。Tシャツやジャケットなど、親しみのある服に意外な発想を組み合わせる「違和感のある日常着」をコンセプトにしています。出典:Rakuten Fashion Week TOKYO
井野は東京モード学園を卒業後、企業デザイナーを経験し、MIHARAYASUHIROで靴やアクセサリーの企画・生産に携わりました。その後に始めたdoubletでは、ウェアだけでなく、靴やバッグなども展開しています。出典:LVMH Prize公式プロフィール
ブランド名は、ルイス・キャロルの言葉遊び「ダブレット」に由来します。一つの単語の文字を置き換え、別の単語へつなげていく遊びです。共同企画を行ったコラントッテの発表でも、見慣れたものの一部を別のアイデアに置き換える服づくりとの関係が説明されています。出典:コラントッテ公式発表
この名前を知ると、服の見方も少し変わります。どこまでが知っている形で、どの部分に違和感があるのか。変えられた箇所を探すことが、ブランドを理解する入口になります。
歴史と、2018年のLVMHプライズ
2012年の設立と、2013年春夏のデビューは分けて覚えておきたい節目です。2013年にはTokyo新人デザイナーファッション大賞のプロ部門で最優秀賞を受賞。TOKYO FASHION AWARD 2017への選出を経て、2017年秋冬には東京で初のランウェイショーを行いました。出典:Rakuten Fashion Week TOKYO
大きな転機となったのは、2018年のLVMHプライズのグランプリ受賞です。主催者のLVMH Prize公式サイトにも、同年の受賞者として井野のプロフィールが掲載されています。2020年秋冬には、パリ・ファッションウィークで初のプレゼンテーションを開催しました。
ただし、受賞歴だけで服の価値を説明してしまうのは惜しいところです。2020年の本人インタビューでは、賞の評価と消費者から認められることを分けて考え、面白いものをつくって人に喜んでもらう姿勢を大切にしていると話しています。
ましゅの視点では、ここが気になります。権威ある賞を取ったから選ぶのではなく、自分がその一着の何に反応したかを確かめる。笑ってしまう意匠でも、素材に惹かれる服でも、選ぶ理由は自分の側にあっていいと思います。
doubletの特徴。ユーモアを、素材や構造までつなげる
服の形が分かるから、違いに気づける
doubletには、Tシャツやデニム、トラックジャケットなど、日常で見慣れた種類の服があります。元の形を知っているからこそ、刺繍や丈、つくりの変化が目に入る。初めて見る人にも発想の入口があり、細部を調べると別の面が見えてくるのが面白さです。
たとえば後述するTWISTER T-SHIRTは、柄で風を表現するだけでなく、身頃をねじるパターンを採用しています。装飾の内容と、体が入ったときの布の動きを別々に見ると、意匠の仕組みを理解しやすくなります。
素材の新しさも、服を知るきっかけになる
2026年秋冬のテーマは「AIR」。公式のコレクション紹介では、空気に関わる原料や技術との出会い、その開発に伴う試行錯誤が語られています。空気という目に見えにくいものを、服の素材や見え方へつなげたコレクションです。
ここで「空気からできた服」という印象だけを受け取ると、実際の素材構成を見落とします。デニムジャケットにも綿とポリアセタールが使われているように、服は複数の原料や工程の組み合わせでできています。新しい技術の面白さと、製品全体の環境負荷がどの程度なのかは別の話。確認できる説明の範囲で見ていきたいところです。
強いデザインを、自分の服にどう入れるか
ましゅの視点では、個性の強い服を選ぶときも、全身を同じ強さで揃える必要はないと考えます。ねじれたTシャツを見せたいなら、ボトムは裾の動きを邪魔しないものにする。加工のあるデニムが主役なら、上半身の色数を絞る。何を見せたいかを一つ決めるだけでも、服の特徴を日常に持ち込みやすくなります。
現行掲載の2商品で見る、発想と仕様
以下は2026年11月6日に公式オンラインストアで確認した掲載例です。価格は税込。サイズ展開は、各サイズの在庫を保証するものではありません。
AIR YARN FADED DENIM JACKET
公式商品ページの品番は26AW10BL265-1、税込97,900円。素材は綿62%、ポリアセタール38%で、S・M・L・XLが掲載されています。
通常のインディゴ染めの糸を経糸に、二酸化炭素を原料の一つとしてつくられた糸を緯糸に使用。さらに加工で色落ちした表情を出しています。見た目には使い込んだようなデニムでも、構成する糸の背景には新しい技術がある。この組み合わせが見どころです。
公式のサイズMは着丈61cm、肩幅51cm、身幅64cm、袖丈64cm。身幅の余裕に対して着丈は短めなので、普段のジャケットと比較するときは、裾の位置も見てください。内側に長いシャツを着るか、腰回りをすっきり見せるかによっても印象が変わります。
ましゅの視点では、技術の説明に納得できることに加えて、この短さと横幅の組み合わせを着たいかどうかが大切です。混紡素材のため、いつもの綿100%のジーンズと同じ洗い方でよいと決めつけず、現物の表示を確認しましょう。
TWISTER T-SHIRT:BLACK
公式商品ページでは品番26AW30CS443、税込28,600円。綿100%で、サイズはXS・S・M・L・XLが掲載されています。
台風やハリケーンを発想源に、落ち葉や新聞を思わせる刺繍を組み合わせたTシャツです。服全体をねじる設計によって、着用時に回転するようなドレープが生まれると説明されています。装飾とパターンの両方で、テーマを表している一枚です。
サイズMの掲載実寸は着丈50cm、肩幅45cm、身幅56cm、袖丈21cm。一般的なTシャツと比べて着丈が短いため、数字を見ずに普段どおりのサイズを選ぶのは避けたいところ。ねじれによる裾の位置や、腕を動かしたときの見え方も、試着で確かめたい服です。
ましゅの視点では、表面の装飾だけを見て選ぶより、前と横からシルエットを確かめたくなります。肌をどこまで見せるか、インナーを重ねるか、ボトムの腰位置をどうするか。小さな面積の服でも、着方を考える余地があります。
公式映像で2026年秋冬「AIR」を見る
ブランド公式サイトのRunwayページから案内されている、DOUBLET公式チャンネルの映像です。単品の写真と、全身を組み合わせて歩く姿では、服の量感や丈の関係が違って見えます。気になった形は、商品ページの品番や素材と照らし合わせてみてください。
中古で見るカオス刺繍トラックジャケット
doubletを知るもう一つの入口として、楽天市場に掲載された2017年春夏のカオス刺繍トラックジャケットを紹介します。品番17SS05BL35、サイズM、ブラック。確認時の表示価格は25,410円で、販売店は福井の買取販売 サンステップです。
こちらは2026年秋冬「AIR」の商品ではなく、中古品です。販売店の状態表記はランクBで、スレや汚れなど通常着用による使用感の記載があります。実寸は着丈66cm、肩幅46cm、身幅49cm、袖丈64cm。年代の違う商品を選ぶときは、現行品のサイズ感をそのまま当てはめず、個体の寸法と刺繍の状態を確認しましょう。
商品画像・リンク提供:楽天アフィリエイト。上記は確認時の掲載例です。売り切れや価格変更があるため、最新の状態・在庫・返品条件はリンク先で確認してください。
doubletはどこで買える?
購入先の入口は公式オンラインストアと、ブランドが掲載するRETAILERS一覧です。確認時点の一覧には、DOVER STREET MARKET GINZA、GR8、伊勢丹新宿店のRe-style Plus、WISM SHIBUYAなどが載っています。店舗ごとに入荷商品が異なるため、気になる品番を確かめてから訪問しましょう。
中古品を探す場合は、シーズンと品番に加えて、刺繍や付属パーツの状態も確認します。加工として施されたほつれと、着用によるダメージは同じではありません。判断しにくい箇所は、商品説明と写真を照合し、販売店へ尋ねると安心です。
まとめ。驚きのあとに、服のつくりを見てみる
doubletの魅力を知るには、面白い見た目を入口にしながら、その先の素材や構造まで見てみることが近道です。ねじれを生むパターンも、デニムの表情をつくる糸も、服を選ぶ具体的な理由になります。
ましゅの視点では、強いデザインを楽しむことと、自分の日常に合うかを考えることは両立できると思います。まずは一着、何に惹かれたかを言葉にしてみる。そのうえで形、手入れ、手持ちの服との関係を確かめると、眺めて面白い服から、自分が着たい服へ近づいていきます。
情報確認日:2026年11月6日。価格・仕様・在庫・取扱店は変更される場合があります。


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