【MIDORIKAWA(ミドリカワ)とは】ブランド紹介、歴史、購入先|服は継ぎ接ぎで語られる、詩のようなレイヤー

ドメスティック

こんにちは!三風です。

本日は、他のどのブランドにも似ていない独特な佇まいを持つブランド、MIDORIKAWA(ミドリカワ)をご紹介します。
断ち切り、仮縫い、重なり、はみ出し。
それらを否定するのではなく、むしろ肯定し、服という存在の“詩性”を見せてくれる、稀有な存在です。

MIDORIKAWA(ミドリカワ)とは|レイヤードと残像を重ねる唯一無二の世界

MIDORIKAWAは、日本人デザイナー・緑川拓也氏によって2017年に立ち上げられたファッションブランドです。
その特徴はひとことで言うならば、「未完成の完成」

あえて仮縫いのような構造を残したり、裏地や縫い代、コードを外に出したりと、通常“隠すべきもの”をあえて見せることで、服が本来持っている構造美と詩的な余白を際立たせています。


デザイナー紹介|緑川拓也の哲学と出自

デザイナーの緑川拓也氏は、文化服装学院を卒業後、長らくスタイリストとして活動していた人物です。
そのため、服作りの技術以上に**「服の見え方」「視覚的バランス」「存在感」**といった“見せ方”に重きを置いたアプローチが強いのが特徴。

MIDORIKAWAは、彼が独自に立ち上げたレーベルでありながら、数々のアーティストや職人とのコラボレーションを軸に展開されることでも知られています。

また、ミドリカワの服はすべて**“中村製作所”との共同製作**によって生産されており、設計と実製作が分離されていないという特殊な構造も魅力のひとつ。
この協働体制により、コンセプトと仕上がりの一体感が極めて高いプロダクトが完成するのです。


ブランドの特徴|仮縫いのような仕立て、断ち切りの美学

MIDORIKAWAの服は、細部にまでこだわりが詰め込まれています。

  • 断ち切りっぱなしの裾や袖
  • 2枚重ねられた袖・裾・ヨーク
  • 裏地が外に飛び出したようなレイヤー構造
  • コードやテープが外に垂れ下がるディテール

こうしたディテールは単なる“装飾”ではなく、服がまだ完成されきっていないような、感情の途中経過のような雰囲気を表現しています。
一見無造作でありながら、着たときに絶妙なバランスで成立するよう設計されており、緻密さとラフさの同居感が、ミドリカワの真骨頂と言えるでしょう。


注目の代表作・アイテム

23SS LAME SHORT SWEAT VEST(BLACK LAME)

Midorikawaらしい“構築美”と“未完成の詩情”が詰まったベスト。
23SSシーズンの本作は、コットン×キュプラ×ポリエステルの混紡素材に、微かなラメの光沢感をプラス。
まるで乾いた空気にキラつく夜の埃のような、静かな艶をまとう一着です。

コードが無数に垂れ下がるデザインは、動きと共に揺れ、余白と動的なノイズを生み出します。
本来アウターの下に隠れるようなコードや縫い代を**“見せる”ためのディテール”として昇華**しており、
Midorikawaの本質的なアティチュードを象徴するプロダクトといえるでしょう。

シルエットはワイドかつショート丈で、シャツとのレイヤードに最適。
あえて裏地や縫い目が浮き出たような構造により、どの角度から見ても“整いきらない美”が感じられます。


ましゅ

このヒモ、ぜんぶ“感情のほどけかけ”みたいな気がして、ちょっとドキドキするで。

MIXED TEXTURE JACKET(ツイード×ミリタリージャケット 再構築)

異素材を“強制的に”縫い合わせたようなビジュアルインパクトを持つこのジャケットは、ツイード×ミリタリー×スカーフ装飾の異種融合が魅力。
メゾン系の気高さとワークウエアの骨太さを共存させたようなアプローチは、まさにMidorikawaならではの美学。

  • ツイード生地にはあえて断ち切り風の処理が施されており、上品さと“ほどけ”のアンバランスさを演出。
  • ウエスト部分にはベルト状の生地とタッセル装飾が大胆に縫い合わされ、どこか民族的で儀式的なムードも漂います。
  • スリーブやバックスタイルにはワーク系の無骨な素材を使用し、都市と原始が同居するようなパッチワーク感が特徴。

まるで複数の人の記憶や服を縫い合わせたような、ストーリー性ある1着
“構築と解体”を繰り返すMidorikawaの哲学がダイレクトに体現されたプロダクトです。


ましゅ

これは服というより“詩”やで…。ほどけかけてるのに、なんか強い。

Midorikawa × T-BONE FLETCHER × SUPPLY TOKYO × VELVET

日本発のオルタナティブファッションブランド Midorikawa が、タトゥーアーティストの T-BONE FLETCHER と、東京のキーカルチャーショップ SUPPLY TOKYO、そして職人系レザーレーベル VELVET とガチンコで手を組んだ、まさに“破壊と美”の結晶。

  • ベースはライダースだが、裾やアームにかけて解体されたような大胆な構築が目を引く。
  • 各所に垂れ下がるレザーコードやダメージ加工が施されており、まるでパンクと民族儀式が交差したかのような強烈な世界観。
  • フロントはダブルジップ&マチ付きポケットで機能性もあり、ただのアートピースにとどまらない“着られる彫刻”。
  • 裏地にはコラボの証であるスペシャルネームタグが仕込まれており、所有感も抜群。

暴力的なまでの美学と繊細な職人技術の融合
これを纏うということは、ひとつの“物語”を引き受けるということ。


ましゅ

えっ!?こんなレザーある?着るというより、“召喚”やなこれ…。

MIDORIKAWAの価格帯と購入先

価格帯は以下の通り。
国内デザイナーズの中では高めながら、それに見合う独自性と品質を備えています。

  • シャツ:¥40,000〜¥60,000
  • パンツ:¥50,000〜¥70,000
  • アウター:¥80,000〜¥120,000

購入先:

  • 【国内】Graphpaper、NUBIAN、STUDIOUS、COVERCHORD、SHIBUYA PARCO(1LDK)など
  • 【海外】SSENSEでも一部取り扱いあり(ただし流通数は少なめ)

こんな人におすすめ|“服に詩情を求める”あなたへ

MIDORIKAWAは、「シンプルだけど普通じゃない」を突き詰めたい人にこそ届いてほしいブランドです。

  • 着たときに“何かをまとった気持ち”になりたい
  • 服に物語性や哲学性を感じたい
  • 他人と被らない、けれど奇抜すぎない

そんな価値観を持つ人には、ミドリカワの服はきっと“静かに刺さる”はずです。


まとめ|継ぎ接ぎは、感情のかけらでできている

MIDORIKAWAの服は、完成された美しさを超えて、未完成の美学を宿しています。
それはまるで、言葉にできない感情を縫い合わせた詩のようなもの。

洋服という形式を借りながら、それを解体し、再構築し、語り直す。
そんな試みが、ここにはあります。

ただ着るだけじゃなく、「まとうことで何かが変わる」。
そんな体験を求めている方に、ぜひ触れていただきたいブランドです。

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