Anton Belinskiy(アントン・ベリンスキー)とは|ブランド紹介、歴史、経歴、購入先|叫びと祈りが縫い込まれた服

インポート

こんにちは、「暮らしとセンスと、ましゅ。」の三風です。
今回は、ウクライナ発の異色ブランド**Anton Belinskiy(アントン・ベリンスキー)**を特集します。

ファッションを「装い」としてだけでなく、「叫び」や「祈り」としても捉えるベリンスキー。
政治や社会へのメッセージを込めたそのクリエーションには、他のブランドにはない強烈な存在感があります。

そんな彼の魅力を、ブランド背景から代表作まで掘り下げていきます!


東欧の風土が生んだ、異色のファッションブランド

Anton Belinskiy(アントン・ベリンスキー)は、ウクライナ・キエフを拠点に活動するファッションデザイナー。ブランドとしての知名度は決してメジャーではないが、政治的・社会的メッセージを強く打ち出すそのスタンスから、ヨーロッパを中心にコアな支持を集めている。

たとえば「戦争と平和」「国家と個人」といったテーマを、パンクやストリートのフィルターを通して表現するその作風は、今の時代だからこそリアルに響く。LVMH Prizeのファイナリストに選ばれたことでも話題となり、グローバルな舞台へと歩みを進めている注目株だ。


ブランド概要とデザイナーの経歴

Anton Belinskiyは2011年に自身の名を冠してブランドをスタート。生まれ故郷であるウクライナの文化や社会背景を強く反映させたコレクションが特徴だ。

アントン自身はファッションスクールでの教育を受けず、建築やヴィジュアルアートを学んだ後、独学で服作りをスタート。だからこそ、既存のファッション文脈にとらわれない、自由でラディカルな発想が魅力となっている。

2014年には初めてパリでコレクションを発表。2015年には『Vogue Talents』に選出され、2019年にはLVMH Prizeのセミファイナリストにノミネートされるなど、国際的な評価も高まりつつある。

ベリンスキーの思想と服作り

Anton Belinskiyのクリエーションは、言葉で言えば“叫び”に近い。戦争を経験した国のリアルな痛み、社会への問い、自由への願い。こうした要素が彼の服には強く込められている。

再構築的なパターンや、ラフに切りっぱなしにされた縫製。そこに施されるグラフィックやスローガン的なタイポグラフィは、まるで現代アートのインスタレーションのよう。

また彼の作品は性別にとらわれないフォルムが多く、ジェンダーという概念自体への批評性も含んでいる。美しさの中に、暴力と儚さが同居する。そんなアンバランスさこそが、ベリンスキーの魅力だ。

おすすめのアイテム3選

グレーウール調テーラードダウンジャケット

特徴:
 テーラードジャケットのような見た目に、ダウンジャケットの機能性を融合させた逸品。クラシックなウールスーツ地風の表情ながら、しっかりと中綿が詰まっており、防寒性も抜群。シルエットはややボックス寄りで、肩周りのボリュームが構築的にデザインされている。

デザインディテール:
 ラペルやフラップポケットなど、フォーマルジャケットの文脈を取り入れつつ、フロントはトラディショナルな3ボタン。胸元にはベリンスキーらしい“反骨精神”が垣間見えるピンバッジがあしらわれ、軽やかなユーモアとシニカルさを添えている。

参考価格:
 ¥90,000〜(コレクションシーズンや流通経路によって変動)

購入先:
 国内では極めて流通が少なく、SSENSEやgrailed、個人輸入がメインルート。希少性の高さゆえ、中古市場でも人気。

ましゅ

:スーツみたいなのに、めっちゃぬくそう…。 このギャップ、クセになりそう〜!

フォトプリント ロングスリーブTシャツ

特徴:
 大胆にプリントされた上半身裸の少年(あるいは青年)のポートレートが圧倒的なインパクトを放つロングスリーブTシャツ。ベリンスキーの「人間のリアル」に対する眼差しが、ファッションを通じてストレートに表現されている1着。

デザインディテール:
 コントラスト強めのモノクロ調フォトプリントに、クラシックなクルーネック。カットソーながらどこかアートピース的な空気を纏っており、着るという行為そのものが“視線への反逆”となるような設計。縫製や裾処理はあえてラフに仕上げられており、リアルな“生活感”や“無骨さ”も漂う。

参考価格:
 ¥30,000前後(シーズンや状態により異なる)

購入先:
 不定期でSSENSEに入荷。国内ではヴィンテージ取扱や二次流通中心。grailed等のプラットフォームでも発見可能。

ましゅ

:見つめ返してくる服…!? これは“着る勇気”が問われるやつやね

メッシュネット ナイロントートバッグ

特徴:
 軍用ネットを思わせるようなロープ編みのメッシュが、ナイロン製のトート本体を大胆に覆った実験的バッグ。バッグでありながら“構造物”にも見える異質感があり、Anton Belinskiyの「日常と非日常の交差」を体現したような一作。

デザインディテール:
 本体は軽量なリップストップナイロンを使用。ドローストリング開閉式で実用性も確保しつつ、全体に施されたロープネットは手編み感の残る粗野な雰囲気。ハンドルはパッド入りでグリップ性も◎。ヴィジュアルだけでなく、使い勝手も考慮されているあたりがベリンスキーらしい。

参考価格:
 ¥30,000〜¥45,000程度(市場流通はかなり希少)

購入先:
 SSENSEでの限定展開や、海外セレクト「H.LORENZO」などでの不定期販売あり。中古市場でも即完が多い。

ましゅ

:これ、カバン…やんな? でも“作品”って呼びたくなる存在感。

購入先・価格帯は?

Anton Belinskiyのアイテムは、SSENSEやMACHINE-Aなど一部の感度の高いオンラインセレクトショップで取り扱いがある。

価格帯はTシャツで¥20,000〜、アウター類で¥60,000〜と、コンセプチュアルブランドとしては標準的なライン。ただしアイテム数が限られているため、出会えたときが買いどきだ。

スタイリング提案|こんな人におすすめ

ファッションを「表現の手段」として捉えている人には、ベリンスキーの服は刺さるはず。

ベーシックな黒やグレーのアイテムに、ベリンスキーのグラフィックTやジャケットを1点加えるだけで、強い個性を持ったスタイリングが完成する。Y/ProjectやNamacheko、あるいはRaf Simonsが好きな人にもおすすめしたい。

まとめ|服は祈りであり、叫びでもある

Anton Belinskiyの服は、単なるデザイン以上の意味を持っている。社会的な視点と個人の内面が混ざり合い、それが“装う”という行為に昇華されている。

ファッションが本来持っていたはずの、声を上げる力。ベリンスキーはそれを思い出させてくれる存在だ。

ましゅ

着るだけで、思想がにじむなんてすごい。服って、もっと自由でいいんだね。

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